「売春婦養成コース」で女性たちを洗脳、極右インフルエンサーの人身売買手口 英

テイトは女性が写ったInstagramの画像のスクリーンショットも投稿し、webカムをやらせようと考えている「標的」「資産」と呼んだ。「イビザの資産は(OnlyFansを)やることに同意した。博士号の証書が間もなく授与される」という2021年7月の投稿には、身元不詳の若い女性の動画も添付されていた。

テイトはその後「一緒に引っ越してきた」2人の女性の写真を送信した。いずれの女性も、テイトの性的人身売買事業の被害者としてルーマニア検察のリストに挙がっている。

テイトの説明によれば、2人のうち1人はテイトのそばにいたいがために生まれ故郷を離れたが、「家族からの支援を断たれ」、どうしても自分に会いたいと懇願してきたそうだ。テイトは女性が自分に依存するよう仕向けるために、女性の友人から以前風俗で働いていたことを知らされた、と話をでっち上げた。とんでもない女だ、ここから出ていけ。こうした嘘が功を奏し、女性を守りに入らせ、より一層依存させることになったいきさつを、テイトは事細かに説明している。

「最終的な目的は、女に1人でどこにも行かせないようにすることだ。生まれ故郷にも行かせない」とテイト。「しっかり働いてもらわないと」。

テイトはその後、その女性とやり取りした携帯メッセージのスクリーンショットと思しきものを添付した。テイトは女性にずばりこう語っている。「お前は(故郷には)二度と戻らない。帰省すらしない」「ブカレストの家を出る必要はない……俺たちはずっと一緒だ」。

「ええ、分かったわ」とその女性は返信した。

人身売買に反対する活動団体Polaris Projectによると、孤立は人身売買業者が使う手口のひとつで、「自分たちの影響力を弱めたり、自分たちのメッセージと相容れないような人物から被害者を遠ざける」のが目的だという。「人身売買業者は被害者を孤立させることで、この先誰かに助けを求めるのをより一層困難にするのです」と、Polaris Projectのサイトには記載されている。

だが流出したメッセージによると、War Roomのメンバーは孤立を命令に従わせるカギととらえていたようだ。「その手の孤立は必要不可欠だ」という投稿もある。

広報担当者にコメントを求めたところ、広報担当者はソーシャルメディアでメッセージをシェアしたアカウントの一部がごく最近作成されていた点を指摘し、流出メッセージの出所に疑問を呈した。

「AIやソーシャルメディアが情報源として台頭してきたことで、捏造または操作されたと思われる証拠を匿名で提示しつつ、責任を回避して処罰を免れることが可能になっています」と広報担当者は述べた。「こうした現実から、故意にピンポイントで世論を操作し、提示された証拠の信憑性が損なわれる可能性が懸念されています」。

Rolling Stone Japan 編集部

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