米テキサス銃乱射で23人を殺害した白人至上主義者、終身刑を言い渡される

パトリック・クルシウス被告と弁護団の法廷スケッチ(NACHO L. GARCIA JR./EL PASO MATTERS/AP)

2019年、米南部テキサス州エル・パソのWalmartで23人を殺害して連邦起訴され、有罪を認めていた白人至上主義者パトリック・クルシウス被告が、起訴内容90件すべてにおいて終身刑を言い渡された。エル・パソ・タイムズ紙が報じている。

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今年2月、検察は死刑を求刑しない旨を裁判所に伝えると、クルシウス被告は憎悪犯罪45件を含む90件の連邦起訴内容で有罪を認めた。検察は、クルシウス被告がメキシコ人やその他ヒスパニック系は「責められて当然だ」と思い込み、「国を守ろうと」して犯行におよんだと主張した。

2019年の銃乱射事件に関して、クルシウス被告は州からも大量殺人罪1件、武器を用いた加重暴行罪22件で起訴されている。エル・パソ地方検事局のビル・ヒックス検事は、かねてより死刑求刑を口にしていた。公判日はいまだ未定。ヒックス検事によれば、クルシウス被告の身柄は秋にも連邦から州に移される見込みだという。

「当初は、早ければ8月にも州に身柄が引き渡されるものと思われていた」とヒックス検事。「我々のもとに引き渡されるのは10月、または11月になるかもしれない。被告の起訴を4年間も待ちわびてきた。さらに数カ月待ったところで、何も変わらない」

クルシウス被告の連邦判決が正式に言い渡される前、裁判では生存者や犠牲者の遺族が胸に迫る証言を行った。生存者の1人ジェネシス・ダヴィラさんは事件当時12歳で、サッカーチームのメンバーとともにWalmartで遠征費の募金集めをしていた。デヴィラさんの父親は足を撃たれ、「メモ」の愛称で慕われていたコーチのギレルモ・ガルシア氏は銃創で数週間後に死亡した。

「あなたを死刑にしたい。そのぐらいあなたが憎い」とダヴィラさんは裁判所で語った。「刑務所で一生のたれ死ねばいい。あなたは私たちのコミュニティに招かれざる客だった」。

Akiko Kato

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