ジョン・レノンの未完成作品が有力か、ポール・マッカートニーがAI使用し最後のビートルズ作品制作

1967年N当時のビートルズ(HULTON-DEUTSCH COLLECTION/CORBIS/GETTY IMAGES)

ポール・マッカートニーが人工知能(AI)の手を借りて、ビートルズを(ある意味)全員集合させた新曲を制作した。

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最初に言っておくと、ジョン・レノンおよび/またはジョージ・ハリスンの素材をAIにたっぷり読み込ませ、コンピュータがはじき出した気味の悪い陳腐なイリュージョンもどきを、リンゴ・スターと形に仕上げた、というわけではない。そうではなく、マッカートニー本人もBBCに説明しているように、AIの技術で昔のデモ音源からレノンのボーカルを「抽出」し、それをもとに曲を完成させたという。

マッカートニーいわく、新作の制作にはピーター・ジャクソンのおかげでもある。壮大なドキュメンタリー3部作『ザ・ビートルズ:Get Back』の肝となった、AI主体の「デミックス」技術が使われているのだそうだ。この映画の見どころは、ジャクソン率いる製作陣がオリジナル音源から各メンバーの声や演奏、雑音などを分離・抽出して、山のような会話や演奏を効果的に再現した点だった(同じ技術は昨年再版された『リボルバー』でも使われている)。

「ピーター・ジャクソン監督が『Get Back』でやったことを使わせてもらった」とマッカートニーは語った。「監督はジョンの声とピアノが収録された音質の悪いカセットテープからジョンの声だけ抽出した――AIを使ってね。AIに向かって、『これが声、これがギター。ギターの部分だけ抜いて』と言うと、その通りにやってくれる。ものすごく便利だよ」

Akiko Kato

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