オリジナリティの源泉は「反抗心」—いろんな曲をカバーするなかで、少しでも見てくれる人を増やすために工夫したことは何かありますか?J.Fla:当時はGoogleから、YouTubeの登録者数を伸ばすにはこうしたらいいですよっていうアドバイスがよく送られてきていて。それは「しっかりとカメラを見て、視聴者の皆さんに笑顔であなたの魅力をアピールしてください」といった内容だったんですが、どうしてそんなことをしなきゃいけないんだ、と思っていました。自分にはいつでも何かに反抗する気持ちみたいなものがあったし、カメラを見ながら歌うとなると、どうしても自分の顔を気にしてしまうのがすごくストレスだったんです。顔が綺麗な人はこの世にごまんといるけれど、自分は歌で挑戦したいから、カメラも見ないし笑わないスタイルでやっていこうって。自分の中の反抗心が、あのスタイルを作ったのかもしれないです。
©GOODSEN ENTRTTAINMENT—我が道を行くスタイルで、結果的に登録者数もすごく増えて結果が出たのはうれしかったんじゃないですか?J.Fla:登録者が増えたことは本当にうれしかったです。当初は有名になろうなんて1ミリたりとも思っておらず、ファンの方と歌を通してコミュニケーションを取ろうという気持ちでYouTubeを始めたので、それが数字になってついてきたことがすごくうれしかった。投稿し続けることは本当に大変だったし、つらいこともありましたが、そういう成果が見えたから頑張れました。
—カバーした曲は、どういう基準でセレクトしていたんですか?J.Fla:チャートのBillboard100っていう一つの基準もありましたが、とにかく自分が表現できそうなものを選んでいました。あとは当時イギリスの会社とお仕事をさせていただいていたので、その会社の方に推薦していただいたもののなかから、自分に合いそうなものを中心にカバーしていました。
—たくさんの曲をカバーしてきたと思いますが、特に難しかった曲を挙げるとしたら?J.Fla:やっぱりエミネムさんのラップ(※「Lose Yourself」「The Monster」などをカバーしている)は難しかったですね。いろいろな曲をカバーするなかでマンネリ化を感じていて、そのときに新しい挑戦をしなくちゃいけないと思ってエミネムさんに挑戦しました。本当に難しかったんですが、たくさんの方に見ていただいたので思い出に残っています。「Despacito」(ダディー・ヤンキー)も難しい挑戦でしたが、この曲はたくさんのリクエストがあって歌いました。スペイン語の歌詞でどう読むのかも分からなかったのですが、完全に耳コピでやりました。発音が変でも許してって気持ちでアップしたのでですが、「まるで現地の人みたいに発音が綺麗だ」と評価をいただいて、皆さんにたくさん褒めていただきました。Facebookの投稿は、いいねだけで1000万、閲覧数で何億という数を叩き出しました。
—今でこそたくさんの人がYouTubeにカバー動画をあげていますが、そのなかでJ.Flaさんが感じる自分ならではの強みはどこだと思いますか?J.Fla:全てのジャンルをカバーすることができる、というのが一つの強みだと思います。ラップができるところもですし、デュエットが一人でできるところもすごく魅力かなと。例えば、映画『アラジン』の主題歌「ホール・ニュー・ワールド」の男性パートと女性パートを一人でこなすことができますし、レンジが広いのも特長だと思います。