「お父さんは連続殺人鬼」タレコミは真っ赤な嘘、娘の狂言か 米

アイオワ州警察当局いわく、捜査官はスターディ一家の元地所を掘り返したが、証拠となる遺体は発見されなかった(GETTY IMAGES/ISTOCKPHOTO)

ルーシー・スターディさんが父親のドナルド・ディーン・スターディ氏が30年以上にわたり70人もの人々を手にかけ米・アイオワ南西部グリーン・ホロウ地区の所有地に埋めたに違いないと、2022年10月にニューズウィーク誌に掲載されたインタビューで語り、警察当局は彼女の主張を信じて捜査を開始。死体捜索犬を使った最初の全域捜査では、人間の遺体が存在する可能性が示された。

父親がシリアルキラーだったという妹ルーシー・スターディさんの主張がニュースになってからというもの、姉のスーザン・スターディさんは父親の名誉挽回を望んできた。「私には最初からずっと嘘だとわかっていました」と、スーザンさんはローリングストーン誌に語った。

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保安官事務所の面々は当時、ルーシーさんが示した場所に人間の遺体が埋まっていると思うとマスコミに語っていた。「あそこに遺体があるという彼女の主張を100%信じます」と、フレモント郡のケヴィン・アイストロープ保安官はニューズウィーク誌に語った。「2匹の捜索犬が同じ場所を示しているのに、間違っているとは私には信じがたい。真相は分かりません。かつてあの場所には入植者もいましたし、先住民の土地でもありました。ですが、私はルーシーさんを信じたい」。さらにマイケル・ウェイク副保安官も、子どもの頃に「井戸に遺体がある」という話を聞いたことがあるので、ルーシーさんの主張は「捜査に値する」と思う、と地元TV局KMTVに語った。

警察当局が遺体捜索の準備を進めるうちに、話が広まった。2013年に他界したドナルド・スターディ氏が、突然インターネット中に現れたのだ。捜査と捜索犬の話をシェアした実録犯罪系アカウントから火がついて、TikTokでは#donalddeanstudeyというハッシュタグのついた動画が320万回も閲覧された。スーザンさんは妹が話をでっちあげているとニューズウィーク誌に語ったが、話はすでに拡散し、捜査に対する保安官事務所の自信が裏付けとされた。現在、警察当局では遺体が発見されなかったと宣言している。現在55歳のスーザンさんは、ローリングストーン誌との独占インタビューであえて旧姓のスターディを名乗り、妹の主張に反論した。

Akiko Kato

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