BTS・RM×ファレル・ウィリアムス 赤裸々に語り合ったスーパースター対談

ビジュアルアートから得てきたもの

RM:グループではなくソロとして活動している今の自分は、チャプター1と2の狭間にいると感じているんです。そこには(ビジュアル・)アートなど、音楽以外の選択肢も含まれていて。時々、「もしも音楽が好きじゃなくなってしまったら」っていう想像をして怖くなることがあるんです。僕はアートも大好きだけど、やはり同じものではなくて。

ファレル:そうだね。

RM:別物なんです。悲しいけれど、音楽って本当にありふれているから。音楽はもう僕にとって一番大切なものではないのかもしれない、そんな風に感じて怖くなるんです。

ファレル:わかるよ、でもそれは一時的なものさ。

RM:そう思いますか? あなたにそう言われると、すごく勇気づけられます。

ファレル:断言してもいい。君はいつか必ず、「自分にはやっぱりこれしかない」と思うようになる。


PHOTOGRAPH BY MASON POOLE FOR ROLLING STONE. JACKET, PANTS AND SHOES BY BOTTEGA VENETA

RM:あなたはビジュアルアートやファインアートからどんなインスピレーションを得ていますか?

ファレル:視覚や嗅覚、味覚、運動感覚、そして聴覚という、人間が備えている感覚は基本的に全部同じものだと俺は思ってる。食べ物の甘みや酸味っていう特性は、味覚だけじゃなく嗅覚で認識することもできる。視覚の場合は、それぞれを愛おしさや切なさに置き換えることができる。聴覚なら、耳に心地いいものをスウィートだと感じ、そうじゃないものに対しては顔をしかめたくなるかもしれない。俺がタイプの異なるいろんなアーティストと仕事をするのは、相手の感覚を理解できた瞬間に喜びを覚えるからなんだ。その人物にとって何がSweetで何がSourなのか、そういうことを把握した瞬間にね。

RM:僕の場合、優れた音楽を聴くと興奮するけれど、嫉妬心を抱いてしまうこともあって。奇妙に思うかもしれないけど、それがものすごく辛い時もあるんです。ビジュアルアートに関しては、僕はあくまでアウトサイダーでいたいから、線の一本さえ引かない。ただのマニアックなファン、愛好家なんです。だから絵画や彫刻を目にすると、余計な感情を挟まずに純粋に楽しむことができて、その事実に安堵するんです。

ファレル:素晴らしいね。

Translated by Masaaki Yoshida

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