ピンク・フロイド、日本公演も含む『狂気』時代のライブアルバムを大量配信

ピンク・フロイド、1972年撮影(Photo by MICHAEL PUTLAND/GETTY IMAGES)

ピンク・フロイド『Dark Side of the Moon』(邦題:狂気)時代のライブアルバム18作と同作のオルタナティヴ・トラック集が、YouTubeを含むストリーミングサービス各種にて静かにアップロードされている。

【動画を見る】ピンク・フロイド、1972年の日本公演と「レア曲」を聴く

ピンク・フロイドは2021年12月にも同様に、1970年〜1972年にわたる12曲の未発表コンサートを何の告知もなくストリーミングサービスに投下した。彼らやボブ・ディランなどのアーティストは過去に、録音物の権利を拡張するためにこの戦術を採用している。

2013年、ソニーの担当者はディランの未流通音源のリリースについて、ローリングストーン誌に「EUの著作権法は、1963年以降に録音されたすべてのものについて(保護期間が)50年から70年に延長されたのですが、そこでは新たに『Use It or Lose It』という規定が設けられ、録音から50年以内にリリースしていなければ保護延長の対象外(=パブリックドメイン)となってしまうんです」と説明していた。

この18公演は、いずれも公式には発表されていないが、1972年1月23日から1972年12月9日までに録音されたもの。ピンク・フロイドは1973年3月の『The Dark Side of the Moon』リリースに先立って、すべてのショーで同作の楽曲をプレイし、微調整を加えつつ完成形へと仕上げている。1972年2月17日〜20日にかけてロンドンのレインボー・シアターで行われた4夜連続公演、同年3月に東京・大阪・札幌で開催された日本公演の音源も、すべてストリーミングで聴くことができる。



5曲入りの『Alternative Tracks 1972』には『The Dark Side of the Moon』収録曲のトランス・リミックス、「On the Run」のデモ、「超レア」なオルタナティブ・バージョンを収録。そのほか、4曲入りのスタジオ・アウトテイク集『Eclipsed By The Moon』も配信されている。

新たにアップロードされた音源の著作権はPink Floyd Music Ltd.に帰属し、これらはバンドからの公式リリースであることが示唆されている。2021年にアップされた音源はその後ストリーミングサービスから削除されており、今回も期間限定公開となる可能性が高そうだ。

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From Rolling Stone US.

Translated by Rolling Stone Japan

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