JP THE WAVYが語る、不変のヘッズ魂と「聴き心地」にこだわる理由

「ノることしか考えてない」

ーANARCHYさんの世代、その上の世代、WAVYさんと同じくらいの世代、また下の世代、シーンの層も厚くなってますね。

そうですね。マジで楽しみですね。下の世代、みんなラップうまいですからね。俺が日本語ラップを始めた時とか、「Cho Wavy De Gomenne」を出した時とは比べ物にならないんじゃないですかね。平均値が爆上がりしてる気がします。

ーどのへんにうまさを感じますか?

リリックの語呂だったり発声の仕方だったり、ビートに対するアプローチだったり。やっぱレベルは高く感じるな。音楽を聴いていて、そこまでリリックにフォーカスすることはないんですけど、聴き心地が格段によくなってるなって思います。

ー聴き心地のよさっていうのは、なんとなく分かります。フロウもそうですけど、いろんな要素が重なり合って、心地よさになってるのかなと。

俺、小さい頃から洋楽をずっと聴いてきたので、今でも和訳を見ない限り(歌詞の)意味なんてちゃんと分かってないんですよ。簡単な言葉だったら別ですけど。聴き心地だけでここまで来たので(笑)。リリックもほんとに好きな曲だったら自分で調べて「こういうこと言ってるんだ、すげえ」ってなるんですけど、最初に重視するのは聴き心地ですね。

ーキックとベースがデカい『BANKROLL WAVY』も、聴き心地がいいです。

クラブで音楽が流れてきた時、リリックに注意して聴くことってあまりないじゃないですか。ノることしか考えてないっていうか、とにかくノってたいし、ノれる音楽しか作りたくない。だからこのEPは、鳴りがどれぐらいなのか実際にクラブで聴いてみたいですね。

ーこないだのフジロックで約3年ぶりに野外フェスを体感したんですけど、JPEGMAFIAを観た時に、低音の効きとか音圧とか、とにかく凄かったです。スマホで聴くのとは全然違う。

あんな静かなSYDの曲でさえ、下がめちゃめちゃ出てて、超最高だったっすね。内臓震えるみたいな。腹にくる。

ーWAVYさんって、昔から変わらないアイドル的存在っているんですか? ヒップホップの世界で。

アイドルはファレル(・ウィリアムズ)ですね。あとテリヤキ(TERIYAKI BOYZ®)。昨日もテリヤキのライブ観て、1人でブチ上がってました。

ー最近注目してる海外のアーティストはいます?

誰だろう……。年を重ねるごとに、ディグることが減ってきてますね。昔は服でも音楽でも一生ディグってたのに、最近そこまで追えてないかな。アップカミングのアーティストを拾えてるかって言われたら、最近はそうでもなくて。メインストリームの人ばっか聴いてますね。最近だったら、DJキャレド、ドレイク、ウェイン(リル・ウェイン)とか。結局、超メインストリームで、絶対これヒットするでしょ、みたいな曲が多いですね。あとゲームがこの間出したアルバム(『DRILLMATIC Heart vs. Mind』)はめちゃめちゃかっこよかったです。



ーUSのメインストリームのトレンドって部分で言うと、どうですか?

ハウスがじわじわきてるなと思ってて。この間JOMMYさんと、トロピカルなハウス調の曲を出したんですけど(「Hot Girl feat. JP THE WAVY」/JOMMY)、それを出すちょっと前にドレイクがハウスをやってて(『Honestly, Nevermind』)、やばいハウスくるの?って思ったら、ビヨンセも出して(『RENAISSANCE』)、めちゃめちゃ最高じゃんと思って。ああいう音楽をもっと作りたいなって思ってますね。トラップ離れとまで言わないけど、トラップ以外のことに挑戦してるアーティストがアメリカでは今目立つかなって。トラップはトラップとして真ん中にあるけど、それ以外のハウスだったり、2000年の感じの曲だったりが最近いろいろ出てきて面白いですね。もうそろそろ流れが変わりそう。



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