フジロックを震撼させたモンゴルの雄、The HUが語るチンギス・ハンとメタリカへの敬意

 
フンヌ・ロックの可能性、メタリカへの敬意

–「Triangle」「Bii Biyelgee」はメロディやフックなど、The HUの最もコマーシャルな曲かも知れません。これはチャレンジでしたか?

Gala:それらの曲がコマーシャルかどうか俺には判らない。ただ良いと思う曲を書いて、プレイするだけだからね。ただ、このアルバムではフンヌ・ロックの可能性の幅を広げることが出来たと思う。フンヌ・ロックはヘヴィだったりメロディックだったり、さまざまなスタイルと適応出来るんだ。もちろんそれは決して楽な作業ではないけど、いろいろな試行錯誤を経てきたよ。「Triangle」は高揚感のある曲だ。この曲を聴いた人がみんなハッピーになってくれたら嬉しいね。

–プロデューサーDashkaの役割はどんなものですか?前作とはどう異なるでしょうか?

Gala:彼の役割は“すべて”だよ。楽曲や歌詞の共作やアレンジ、ミックスまで、あらゆる面で関わっている。俺たちのプレイについてもアドバイスしてくれるし、頼りにしている“軍師”だな。


Photo by Enkhbat Nyamkhishig

–モンゴルの人々はメタルの情報をどのように知るのですか? 中心となる雑誌やウェブメディア、レコード店、クラブなどはありますか?

Gala:市内にCDショップやクラブが幾つもあるし、ロックやメタルが載る雑誌もあるよ。インターネットで情報を得ることも出来るしね。まだフンヌ・ロックを専門に扱う雑誌はないけど、もっとバンドが増えたらあり得るかもよ(笑)!

–The HUのインターナショナルな成功に続くフンヌ・ロックのバンドは出てきましたか?

Ono:フンヌ・ロックはまだ新しいスタイルだし、アルバムをリリースしているのはThe HUぐらいだ。でも影響を受けて伝統的な楽器を取り入れているバンドが増えていることは事実だし、これからフンヌ・ロックのシーンが拡がってくるだろう。この流れが世界的なものになることを期待しているんだ。

Gala:モンゴルは広い国だし、内モンゴルと外モンゴルでも異なった文化・異なった伝統音楽がある。地方ごとに異なったスタイルのフンヌ・ロックが生まれたらすごくエキサイティングだね。

–メタリカの「Sad but True」と「Through The Never」をカバーしていますが、彼らにはどんな思い入れがありますか? ライブを見たことはありますか?

Gala:メタリカは長年のファンだし、特別の存在なんだ。去年アメリカのフェスティバルで同じステージでプレイしたよ(ケンタッキー州ルイヴィル“ラウダー・ザン・ライフ”フェスティバル)。自分たちの出番が終わって、ステージ脇から彼らのライブを見ることが出来た。最高だったし、地平線までお客さんで埋まっていて、人生最高レベルの喜びだったね。



–今後の予定は?

Gala:フジロックの後はオーストラリアと北米ツアー、そして久しぶりにヨーロッパを回るんだ。ヨーロッパではまだ行ったことのない国や都市でもライブをやるし、すごく楽しみにしているよ。その後はぜひ日本で単独ツアーもやって、世界にフンヌ・ロックの輪を拡げていきたい。それまで『Rumble Of Thunder』を聴き込んで準備して欲しいね!




The HU
『Rumble Of Thunder』
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再生・購入:https://thehu.ffm.to/rumbleofthunder

 
 
 
 

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