マストドンが語る、2016年の秘蔵インタビュー「俺たちは真っ裸になる準備ができている」

ヘヴィなサウンドを探求

音楽面では、いつも通りにヘヴィなサウンドを模索し続け、リズム・ギタリストのビル・ケリハーがツアー中の休憩時間に作ったリフを土台に、サウンドを広げながら深みを増している。「このアルバムはリフが溢れ出ているカップだよ」とデイラー。ローリングストーン誌に聞かせてくれた数曲は、それなりにムダを削ぎ落とした、メロディックでダイレクトな楽曲だ。「Show Yourself」は、ブレント・ヒンズのワイルドなギターが発する突発的なサウンドと絡み合う正統派リフで始まり、噴火していく。

「Show Yourself」のボーカルはデイラーだが、彼はこの曲をゆっくりと受け入れて行ったと言う。「あのリフを最初に聴いたとき、100%の確信が持てなかった。簡単に気に入られるリフというか、そんな感じがして、こういうのは馬鹿げているけど、でも俺は『簡単』ってことを避けたいんだ。あのリフに関しては、俺の考えが間違っていたよ」と、デイラーが認める。



杭打ち系のロック曲「Precious Stones」は、筋肉質で正確。プログロック系アンビエントと急上昇するヴォーカル・コーラスが組み合わさっている。「Steambreather」は、陰鬱で複雑だが、高速のギター・パターンとデイラーのトライアングルのリズムが明るいアクセントとして効いている。





2016年にマストドンと再び作業をしてみて、前回プロデュースした『Skye』と比較すると、自信が増しているとオブライエンは言う。「彼らは最高に上手いプレイヤーだ。それに、3人とも今ではシンガーとしても非常に優れている。アグレッシヴでクレイジーなままで、以前よりもメロディックなものを多用できるようなっているんだ。連中は本当に歌がうまい!」とオブライエンが言う。

「Jaguar God」はヘヴィなサウンドが渦巻いている。始まりは穏やかな輝きを放つアコースティックな曲だが、シンガー・ベーシストのトロイ・サンダースの唸るヴォーカルがパンチを効かせている。始まりのアコースティックなイントロをデイラーは「俺にはレッド・ツェッペリンの曲みたいに聞こえる」と言う。この曲では、マストドンの楽曲でよく使われるタイプのパッセージがこだまする。こういったセクションを考えるのはヒンズのことが多い。彼は自宅で作曲するときにアコギを使う上に、メタル、プログレ、オルタナティヴをミックスしたバンドサウンドにトラディショナルなサウンドを入れるのが好きなのだ。デイラー曰く「あいつはサザンスタイルのチキンピッキングなんかを弾くんだよ」と。



Translated by Miki Nakayama

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