「あるある」で語るレッチリ―RGさんは長い間レッチリを聴いてるんですか?RG いやいや、僕はアルバムを聴き込むというよりはベースを聴いてたっていうか。元々僕はメタル系が好きなんですけど、メタルでベースがちゃんと聞こえるのってアイアン・メイデンぐらいなので、そうなるとベース弾きとしてはレッチリみたいな派手なほうに耳がいくんですよね。「Higher Ground」のほかにも、「Nobody Weird Like Me」みたいなめちゃくちゃ速いチョッパーが弾きたいと思ったり。「Stone Cold Bush」もそう。
―どちらも『Mother’s Milk』の曲ですね。RG はい。『Mother’s Milk』の頃ってテクニックを見せつける感じで。
(「Nobody Weird Like Me」を流す)オカダ ああ~! カッコいいですねえ! あと、僕が聴いてる頃の曲よりもめちゃくちゃ速い!
―たしかにそうですね。(続いて、「Stone Cold Bush」を流す)RG マキシマム ザ ホルモンの上ちゃん(Ba)に影響を与えてるのはこの頃のレッチリなのかなって気がします。この曲の途中にめっちゃすげぇとこがあるんですけど、いまだに全然弾けない。
―こうやって改めて聴いてみると、オカダさんが知るレッチリとは全然違いますよね。今の2曲を聴くと、「これ、レッチリなんだ?」って感じですよね。オカダ そうですね! びっくりしました。たしかにマキシマム ザ ホルモンぽさがあるなと思いました。
―では、レッチリで一番好きな曲ってなんですか?オカダ 僕はやっぱり「Torture Me」(『Stadium Arcadium』収録)ですね。
RG 渋い!
オカダ なんか日本ぽいんですよね。
―レッチリの哀愁感って日本人の琴線に触れる部分があるのかもしれないですね。この曲を選んだのは単純に曲として好きということですか?オカダ そうですね。このアルバムで一番好きです。よくわからないながらもカラオケで歌ったりしてました……ひとつ、「外国人選手あるある」言ってもいいですか?
―おお、どうぞ。オカダ カラオケでレッチリ歌いがち。
一同 ええ~!?
オカダ 「Californication」とか「By the Way」あたりをよく歌うんですよね。しかも、ちゃんと発音が良いから「カッコいい~!」って(笑)。
RG 僕の「レッチリカラオケあるある」は、「By the Way」のサビをハモってくれるとうれしい。
一同 (爆笑)
RG こがけんとかキレイにハモってくれるんですよ。「スタンディンインラーイン」って。「おおっ!」ってなりますよ。
Photo by Kentaro Kambe―では、RGさんの好きな曲は?RG 僕が好きなのは「Monarchy of Roses」ですね。『アイム・ウィズ・ユー(I’m With You)』の1曲目なんですけど、このアルバムはそんなに売れてなくて。でもなんで好きなのかというと、僕が世に出だしてから『「プレイボーイ」誌でレコ評を書く仕事を時々もらうようになって、その一発目に書いたのがこのアルバムだったんですよ。
(「Monarchy of Roses」を流す)
RG これはレッチリ好きな人でもあまり覚えてない曲なんですけど、サビでフリーが「まだこんな新しい弾き方してくんの!?」って感じの演奏をしてるんですよ。これが超難しくて、映像を観てもどうやって弾いてるのかよくわからない。
――僕がレッチリの存在を知ったのは、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンの1stが出た頃にタワレコで“ミクスチャー・ロック”というくくりで『Blood Sugar Sex Magik』が一緒に紹介されてるのを見たときなんですけど、オカダさんはミクスチャーと言われてピンときますか?オカダ いや……正直……(笑)。
RG 当時流行ったんですよ、ロックとラップが融合した音楽が。日本だとDragon Ashとかになるんですけど。
オカダ ああ~!
RG その頃に人気だったミクスチャーバンドはほとんど解散したけど、レッチリは大ヒットシングルを連発したわけでもないのにずっと残ってるんですよね。実はレッチリの精神的な支柱になってるのはドラムのチャド(・スミス 以下、チャド)かもしれないですよね。
オカダ 新日本プロレスでいう棚橋(弘至)さんみたいな。
RG ああ! で、フリーは豪快に見えるけどちゃんとしてるっていう。
―ジョン以外の3人がずっと一緒にいるというのは大きいですよね。RG アンソニー(・キーディス 以下、アンソニー)とフリーは高校の同級生なんですよね。
オカダ へぇ~! じゃあ、40年以上一緒にいるってことですね。