米伝道師、ウクライナ侵攻はイエス・キリスト再臨の兆しと主張

プーチン大統領は、全能の神の御心を行うための憐れな駒

現地時間2月28日、キリスト教系サイトのraptureready.comは、「Rapture Index(携挙[訳注:キリストの再臨の際、信者たちが昇天してキリストと出会い、永遠の命を得るというキリスト教プロテスタントの思想のひとつ]指数)」を186件に更新した。同サイトの最高記録は189件で、160件以上は世界の終わりに備えて「体勢を整える」ことが推奨される。大々的なウクライナ侵攻の2日前、キリスト教系団体のJoshua Fund(ホームページにも掲げられている通り、「キリストの名の下にイスラエルと近隣諸国を祝福する」ことが同団体の目的)を創設したジョエル・ローゼンバーグ氏は、Podcastを通じて神の国の到来という点においてウクライナ侵攻がいかに重要であるかを力説した。ウクライナがイスラエルではないことはさておき、聖書に描かれたゴグとマゴグとの戦いは、終末論においてはきわめて重要な役割を担っているため、ロシアがここまで大々的に他国に侵攻すると考えるだけで一部のプロテスタント保守派やペンテコステ派の終末論者たちはざわついてしまうのだ。「預言の重要なピースがここまですべて揃うのは前代未聞です」と、ロシアが本格的にウクライナを攻撃しはじめる前にローゼンバーグ氏は述べた。「だからこそ、状況をしっかり観察しなければいけません」

先週、プロテスタント保守派の指導者のひとりであるパット・ロバートソン氏(時事問題とおかしなことを結びつけることにおいて彼の右に出るものはいない)は、隠居生活をわざわざ中断してまで公の場に姿を現し、世界でもっとも有名な暴君であるプーチン大統領は、全能の神の御心を行うための憐れな駒にすぎないと主張した。「たとえば『プーチンはどうかしている』と言えるかもしれません。ですが、同時に彼は神に強要されているのです」と、ロバートソン氏は『エゼキエル書』を引き合いに出しながら述べた。「神は、『好むと好まざるとにかかわらず、私はあなたの顎に鉤をかけて、この戦いにあなたを引きずり込む』と言いました」

こうした状況において、一つひとつの暴力行為ないしプーチン大統領の権力の拡大は、終末論信者が神と肉体的にひとつになる瞬間を近づけている。ハント氏曰く、これこそ私たちが気をつけなければいけない点だ。「『戦争と戦争に関する噂』は、歪んだ興奮の源となります」とハント氏は言う。「個人レベルでは問題にはなりませんが、プーチン大統領に対してよりアグレッシブな措置をとるようにと組織やロビー団体が政治家に迫るようになると、実世界に影響がでます。バイデン大統領がロバートソン氏の発言に耳を貸すようなことはないと思いますが、核による大虐殺を期待する声の背後には、きわめて歪んだ感情があります。彼らは、血に飢えているのです」

Translated by Shoko Natori

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