尻に注射を打って殺害、犯人の母娘は無罪主張 米

逮捕後、100人以上の被害者が名乗り出た

検視報告書によれば、ラジポールさんは注射から3時間も経たないうちに、シリコン注入による急性心肺機能不全で死亡。事件は殺人と断定された。昨年末、施術に同席していたラジポールさんの友人は匿名を条件にローリングストーン誌のインタビューに応じた。友人の話では、注射の後、明らかにラジポールさんの容体がおかしくなったので、アダム被告とガラス被告に助けを求めたそうだ。「2人には、彼女を病院に連れて行くべきだ、と言いました」と友人は言った。「すると2人は『いいえ、大丈夫よ』と。もちろん大丈夫ではありませんでした。彼女は無反応で、見るからにとても、とても弱っていました。意識を失い始めたので、僕が口移しで人工呼吸をしました。僕は『救急車を呼べ! 今すぐ緊急通話に電話するんだ。こんなのおかしいよ、君たちはイカれてる!』と叫びました」

ロサンゼルス警察がローリングストーン誌に語ったところでは、アダム被告とガラス被告が逮捕されてからというもの100人以上の被害者が名乗り出て、2人の施術で支障が出たと主張しているという。そのうち一部の人々は、ローリングストーン誌の取材にも応じた。

アダム被告がラジポールさんの施術現場から逃走した理由について検察側はどう主張しているのかという質問に対し、フラナガン弁護士は回答を控えた。「今はまだお話できません。まだ初期の段階ですから。彼女たちが違反の罪に問われている施術と関係があるのかもわかりません。今回の施術は基本的に注射です。胸郭を切開したわけではありません」

ガラス被告は昨年12月に出廷し、パスポート提出と足首への監視モニター装着を求められた。今回、アダム被告も2月14日までにパスポートを提出し、足首に監視モニターを装着するよう指示された。

審問前、アダム被告とガラス被告は一緒にベンチに座り、法廷では並んで立った。アダム被告は茶色のドレスにキャメル色のコートを羽織り、長い黒髪をセンターパートにして太いつけまつげを付けていた。ガラス被告の方は白いケーブルニットのジャンプスーツに白いニットケープをまとい、足元には白いハイヒール、髪はグレーにはスカーフが巻かれていた。

最初に席を立ったのはガラス被告のほうで、質問を無視しながら法廷を後にした。アダム被告は5分後に退廷した。「無罪。100%無罪よ」と、アダム被告はローリングストーン誌に語った。

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from Rolling Stone US

Translated by Akiko Kato

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