甲斐バンド、1974年から1977年までの歩みを振り返る

甲斐バンドのデビュー45周年のライブベストアルバム『サーカス&サーカス2019』


好きだった曲、改めていいと思った曲、知ってほしい曲のオンパレードです。この「吟遊詩人の唄」が入ったデビューアルバム『らいむらいと』から、デビューシングル「バス通り」をお聞きいただこうと思います。2019年の『サーカス&サーカス2019』では、2010年に行われたツアーで歌ったバージョンが入ってます。その曲をお聞きください。

バス通り [Live] / 甲斐バンド

学生だった僕に愛が語れなかった。甲斐さんの高校時代の恋愛を歌った曲なんでしょうね。この曲の入ったデビューアルバム『らいむらいと』はアマチュア時代に書いた曲がメインだったので、当時も自分たちのキャリアの中ではこれはとりあえず置いておいて、という感じでした。そして、この後に出た『英雄と悪漢』からが僕らの本格的なスタートだ、と話していました。なので、この「バス通り」もライブであまり歌われていなかったと思いますね。

今お聞きいただいたのは2010年のライブアルバム『マイ・リトル・タウン』に収録されていて、2010年の4月に福岡のライブ喫茶「照和」で収録したものです。これは映画にもなりました。里帰りということでこのライブをやった、5日間のライブ・アット・照和というアコースティック・ギグの中のバージョンがこれでした。



1975年11月発売2枚目のアルバム『英雄と悪漢』の中から一曲目「ポップコーンをほおばって」。気持ちを落ち着かせながら話をしていこう、という感じですね。すでに血が騒いでおります。

なぜこの曲で始めないといけないのか? これには理由があります。1974年8月31日、甲斐バンドが上京する直前に福岡電気ホールでの旅立ちコンサートが行われました。収容人数1200人なのに2000人が集まったコンサートのアンコールの最後に歌われた曲です。これを歌って、彼らは東京に来た。この曲は、甲斐バンドがデビューするきっかけになった文化放送の「ハッピーフォークコンサート」で優勝した曲。そういう歴史的な位置づけもありますし、この曲の持つ若さ、青さ、未熟さのポエジー、青春のヒロイズムと言いましょうか。フランス映画、教会の鐘、天使の声。大都会の中の飛べない若者、飛ぶということと飛べないということをこんなにも分かりやすく歌ったと言うのは、当時本当に鮮烈に響きましたね。「ポップコーンをほおばって」は、この後バージョン違いでも出てきますが、先にオリジナルをお聞きいただきました。

甲斐バンドは福岡から上京しているわけですが、彼らを事務所のシンコーミュージックに紹介したのが、先輩、チューリップの財津和夫さんだったんですね。財津さんは当時、東京は外国よりも遠いと思っていたと話していました。甲斐バンドのデビューコンサートは神田共立講堂。でも、ゲストがチューリップで、チューリップが先に出番を終えるとお客さんがゾロゾロ帰ってしまった。そんな屈辱の始まりでした。さて、1975年と1976年の二枚のアルバムから本日お送りしようと思いますが、当時の東京との葛藤が鮮烈に歌われてます。1975年のアルバム『英雄と悪漢』から「東京の冷たい壁にもたれて」。

Rolling Stone Japan 編集部

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