ジョンベネちゃん殺害事件と性的虐待のエプスタイン元被告、陰謀論が生んだ接点

左がマックスウェル、右がジョンベネちゃん(Photo by Laura Cavanaugh/Getty Images, ZUMA Wire)

昨年夏、ジェフェリー・エプスタイン元被告が不可解な死を遂げて以来、陰謀論者は右も左もこれに飛びつき、直接的、間接的を問わず彼と関係があったあらゆる人々を、過去40年間のあらゆる犯罪事件と結び付けている。だから、ジョンベネ・ラムジーちゃん殺害事件が出てくるのも時間の問題だった。1996年のクリスマス、当時6歳だったコロラドの美少女は、自宅で殺されていた。

未成年の少女らを性的虐待したとして起訴され、勾留中に自殺した米富豪のエプスタイン。7月2日には、彼と旧知の仲だった英国人ギレーヌ・マックスウェルが逮捕された。

エプスタイン元被告に若い女性を調達していたと言われれるマックスウェルは、TwitterやRedditに端を発する陰謀論によると、マクスウェルとよく似た女性が、ジョンベネちゃんの生前最後と見られる写真の背景に写っているという。この説はTikTokでも大きな波紋を呼び、背景にマックスウェル被告が写っていると思しき写真をバックにした画像が、時に#pizzagateというハッシュタグつきでシェアされている。

【画像】TwitterやTikTokで拡散されているジョンベネちゃんの画像

マックスウェルとラムジー一家が、どちらもデンバーを拠点とするハッドン・モーガン・フォアマン法律事務所の顧客だったことをインターネットの素人探偵が突き止めると、陰謀論はさらに盛り上がった。ただしそれぞれ担当していたのは別の弁護士で、契約時期にも20年以上の開きがある(ちなみにこの法律事務所の顧客には、ハーヴェイ・ワインスタインやチャーリー・シーンがいる)。

先の写真は、ジョンベネ・ラムジーちゃんの生前最後の写真ではないが、情報サイトSnopesの記事によれば、これは正真正銘ジョンベネ・ラムジーちゃんの写真で、最初に公表されたのは2019年4月にA&Eで放映されたドキュメンタリー『Hunting JonBenét’s Killer: The Untold Story』だそうだ。だが言うまでもないことだが、マックスウェル被告とラムジー家が顔見知りだったという証拠が皆無であることからも、ラムジーちゃんの背後に写っている女性がギレーヌ・マックスウェルだとは疑わしい。たまたま横顔が彼女に少しばかり似た黒髪の女性が、たまたま撮影のタイミングでカメラに映りこんだ可能性のほうがはるかに高い。

わずかながらこの陰謀論に興味をそそられた弊誌は、写真配信サービスで1996年12月24日に撮影されたマックスウェルの画像を検索してみたが、空振りに終わった(同年12月2日、ニューヨークシティでホテル王アンドレ・バラズと一緒にいる写真は見つかった。偶然だが、1996年25日はマックスウェル被告の35歳の誕生日にあたる)。

仮にラムジーちゃんが殺されたまさにその時間、ギレーヌ・マックスウェル被告がニューヨークシティのペントハウスで優雅に寛ぐ写真が見つかったとしても、今回の陰謀論の勢いは衰えることはないだろう。熱心な陰謀論者グループの間ではとくにそうだ。ジョンベネちゃんもマックスウェルもずいぶん前から、他の著名人とのつながりを根拠もなくあれこれ憶測されてきた――とくに有名なのが、一部の偏執的な人々の間で信じられている「ジョンベネちゃんが実はポップスターのケイティ・ペリーだ」という説。

一方でマックスウェルは、これまた根拠もなく、人気Reddit投稿者だと噂されてきた。タブロイド紙の関心を引くような話題性のある事件だということも、こうした陰謀論にさらに火を注ぐ結果となった。写真に写っている女性がマックスウェル被告だという証拠がまったくゼロだと言っても、一部の人々はやはり陰謀論を信じたがるだろう。とくにはっきりした理由もなく、誰かが子供を虐待したり殺したりするような非常識な世の中よりはましだからだ。

【画像】女性の性犯罪者が未成年男子をレイプするのは「禁断の恋」なのか?(写真)

Translated by Akiko Kato

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