ケビン・コスナー、40年間吸っていたマリファナをやめた理由

高校卒業後はカリフォルニア州立大学フラトン校で経営を学んだ。「4年生になろうとしている時、己と深く対話をして、その時に“自分はストーリーを人に伝えるのが好きだ”と自覚したんだ」

その後8年、雑用仕事をこなしがらハリウッドの世界で奮闘し、その間に大学から付き合っていた恋人と結婚し、子供も誕生した(16年間連れ添った元妻とは3人の子供がいる。2004年に再婚し、今では7人の子供の父親である)。1981年に公開された『マリブ・ビーチ物語』で端役を獲得。1983年公開の『再会の時』では彼が出演したシーンがカットされてしまったが、カスダン監督は2年後、コスナーに『シルバラード』で小生意気なガンマンの役を与え、それがきっかけでケビン・コスナーは一躍その名を世に知らしめた。そして次なる大きなきっかけは、ブライアン・デ・パルマ監督による『アンタッチャブル』でエリオット・ネスを演じたことだ。同年に公開された『追いつめられて』も高い評価を得た。その1年後、『さよならゲーム』に出演。それはコスナー以外の俳優が演じることは考えられないほど、彼に適した役柄だった。

ドラマ『イエローストーン』でコスナーが演じる牧場経営者、ジョン・ダットンのキャラクターは、彼がこれまで演じてきたようなヒーロー像には当てはまらないし、ミスター・ブルックスのようなシリアルキラーでもない。コスナー曰く「普段の俺だったら、あまり演じたいと思わないキャラクターなんだけど、すごく共感してしまったんだ。その描かれ方にとても魅力を感じたから、キャラクターをさらに深く作り込む準備をした」とのこと。しかしそうだとしても、ダットンには悪人的要素がたくさんある。コスナー特有の偏った笑みを浮かべながら、自分で殺人を犯すし、時には家族も使って人を殺す。でも、なぜか憎めない。「なぜ、人は自分の欲求に従って行動するのか、という理由を高い次元で理解すること。それは、俺が人生の中で一番やりたいことだった」と、ケビンは語る。


Photo by Emerson Miller/Paramount Network

「さっき、保守的な家庭で生まれたと言っただろ。でもマリファナを吸ってから、保守的な思考はどこかに行ってしまった。それに“俺はいったい誰だ?”という自分探しに決着をつけるという点でも、とても役に立った。だけどマリファナをやめてから、俺はすごく強くなった気がする。吸ってる時、マリファナ仲間はよく『これを吸うと不安になる』と言ってたんだけど、俺はその感覚が分からなかった。やがて周りのみんなが言ってたことが分かるようになってきて、そこで『よし、もうやめよう』と決めた。自分の中で何かおかしいと気づいたというか、それ以来吸わなくなったんだ」

Translated by Leyna Shibuya

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE