ファン層を拡大するフェンダー社、CEOが語る「ギタービジネスの未来」

2015年よりフェンダーのCEOを務めるアンディ・ムーニー(Photo by Henry Diltz)


ーデジタルレッスン・プログラムのFender Playが始まってから1年以上が経ちました。フェンダーの総合戦略の中でどのような位置づけになっているでしょうか?

我々には、Fender Playをはじめ、オンラインチューナーのFender Tune、ストリーミング再生される楽曲のコードを瞬時に自動生成するFender Songsなど、相互に関連するデジタル製品グループがある。Fender Songsに関しては、パブリッシャーやレーベルとビジネスモデルについて検討中のため、まだ一般にはリリースしていない。しかし我々としては、これらコアプロダクトや将来出てくる製品が、さまざまな分野でそれぞれの役割を担うと考えている。これら製品は、ギターをプレイしたり音楽を楽しむ際のさまざまな面をサポートする。

ーFender Playに関しては、2018年末までに10万ユーザー数を目指している。Fender Playのユーザー数が増えれば増えるほど、ストリーミング音楽の流行やライヴ集客数の増加以上に、業界内の成長を促すと信じている。我々は明るい将来を楽しみにしている。

デジタルラーニングのビジネスは、予想以上に季節的なものだ。クリスマスはもちろん一年の中で最も重要な日で、新しいギターを手にした人たちがすぐにレッスンの受け方をネットで検索している。実際は、ブラックフライデー(11月第4金曜日)あたりにひとつのピークがあり、1月末まで続く。新学期で一時低迷するものの、12月25日で再び盛り返す。つまりデジタルラーニングが盛り上がるのは、2つめの季節的ピークだけだ。ギター本体よりももっと季節に左右されている。

ー調査では、ギター初心者のほとんどはロックスターを目指すためにギターを選ぶ訳ではない、という結果も出ています。この結果は予想外でしたか?

この調査結果には驚かなかった。ギターの転換期は、パンクの出現にあったと思う。個人的な意見では、パンクがギタープレイの幅を広げたと思っている。テクニックよりも、楽しむことや自己表現が重視された。この風潮はバンドだけでなく、自分が満足するそこそこのレベルでギターをマスターし、ソロや仲間内でギターをプレイしてみたい、と思う個人にも広まったと思う。

ーポスト・ロックの時代は、アコースティックかエレクトリックか、何が生き残っていくでしょうか? アコースティックだとする業界調査結果もあります。

エレクトリックとアコースティックは、やや周期的な面がある。テイラー・スウィフトらアーティストがきっかけであれ、その他の理由であれ、エレクトリックよりもアコースティックの売り上げの方が伸びたのが数年前のトレンドだった。そして今は、その逆になっている。またアコースティックの中でも、2000ドル(約22万5000円)以上のハイエンド・モデルの伸びが大きい。私の分析では、かつてエントリーレベルのアコースティックを購入した人たちが、またやる気を出し、より良いモデルに買い換えたいと考えているのだと思う。或いは、既にアコースティックを持っている人が、レパートリーにエレクトリックを加えたいと考えているのかもしれない。いずれにしろ、とても健全な成長だと捉えている。さらに、私には今でもその理由が定かでないが、ウクレレの爆発的人気には、我々全員とても喜ばしく思っている。

Translated by Smokva Tokyo

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