ディラン関係者、NYコーヒーハウス時代やジョニー・キャッシュとのブートレッグを企画中

2017年、ブートレッグ・シリーズが着眼したのがディランのゴスペル期とも呼べる1979年から1981年だった。今後、このシリーズでリリースするものがゴスペル期直後に何が起きたのかを伝えるストーリーになる可能性もある。「1980年代初頭を再分析するかもしれない」と、件の関係者が言った。「アルバム『ショット・オブ・ラブ』と『インフィデル』の間のものになるだろう。この時代も発掘すべきものがたくさんある」と。

ヨーロッパの著作権法では、50年間使われていない録音物はパブリックドメイン(公有財産)となるため、ディラン陣営は1965年から1967年に録音された録音物のほぼ全てを強制的にリリースせざるを得なかった。今後も同じ理由でのリリースが続くことだろう。「1969年のジョニー・キャッシュとのセッションがまとめられて、2019年にリリースされることになるだろう」と、前出の関係者が述べた。「聞きたがるファンがいれば、ブートレッグ・シリーズとして出るだろう。2〜3曲、これまで誰も聞いたことのない楽曲があって、これが本当に興味深い。ただ、楽曲のキーを変えているので個人的には大好きだとは言い難いが」。



1975〜76年のローリング・サンダー・ツアーのドキュメンタリーは作業開始から既に10年近く経過している。「それは来年公開したいと思っている」と関係者が教えてくれた。

そこで、「今年6月に30周年記念を迎えたネヴァー・エンディング・ツアーに特化したブートレッグ・シリーズはどうだろうか?」と、この関係者に聞いてみた。「それに似たようなことを思案中だ。きっと楽しい作品になるはずだ」が答えだった。さらに、ディランの2005年の自叙伝『ボブ・ディラン自伝』の続編について聞いてみたところ、「それはわからない。いいアイデアだとは思うけど」という答えが返ってきた。

大まかに言って、ディランのアーカイヴ・リリースに関して、今後の予定が明確に決まっているわけではない。「現状は、テープを聞き始めたばかりだ。これから何が面白いかを見極めていく。面白いものが見つかれば、それを掘り下げる。そうやって出来たのがゴスペル・コレクションだったからね。面白いものが見つからなくなったら、リリースを終了するだけだ」と、関係者が説明した。

Translated by Miki Nakayama

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