この年のDivasコンサートでは感動を呼び起こす素晴らしい歌声と楽曲が次々と披露された。登場したシンガーは全員、ソロで歌うだけでなくデュエットも披露したのである。しかし、グランドフィナーレはポップスとソウルの歴史の最高潮と呼べる瞬間だった。この日ステージを披露した女性シンガーたちが横一列に並び、フランクリンの楽曲の中でも最も印象的なヒット曲「ナチュラル・ウーマン/(You Make Me Feel Like) A Natural Woman」を一緒に歌ったのである。フランクリンがこの曲を歌い始めたとき、ジェリー・ゴフィンとこの曲を共作したキャロル・キングが満面の笑みをたたえてフランクリンの横に立っていた。そして、この二人を真中に据えて一列に並んだ歌姫たちが、この曲の数小節を分け合いながら歌ったのである。ディオン、エステファン、キャリーと、フランクリンの横のキングがリフ部分を先導して曲をつなぎながら、歌姫たちは互いにインスパイアしながらこの曲を紡いで行ったのだった。