ボウイの盟友ギタリストが思い出を語る「あんなに好奇心の強い人はいなかった」

デヴィッド・ボウイとカルロス・アロマー(Photo: Paul Natkin/Getty Images)


デヴィッド・ボウイへの第一印象は、ちょっとおかしな人だな、というものだった。まだロンドンでの『ジギー・スターダスト』時代の直後だったから、髪はオレンジ色だし、顔色は青白くて、体重も44キロしかなかった。最初に会った時、私はボウイが作曲したルルの『Can You Hear Me?』の録音をしていた。私はプロのミュージシャンで、彼はプロデューサーだったから、プロデューサーには敬意を払わなくちゃいかん。

ところが、デヴィッドは気を遣ったんだろうな。「ヘイ、メン! 」とか「オー、ザッツ・クール」とか、何世代も前のアメリカ人のようなおかしな話し方をしてくるんだ。そんな風にがんばってくれていたから、我々は一緒に過ごすようになった。「クールなものを見たいのか。ならライヴハウスにでも行ってみるか。スパニッシュ・ハーレムはどうだ。サルサでも、アポロ・シアターでもいいぞ」そんな風にして我々は知り合ったんだ。『ヤング・アメリカン』のずっと前のことだよ。

彼はとても親しみやすい男だったよ。機嫌がよくてね。彼と私の間には、1つの大きな共通点があって、それはお互いに好奇心がとても強いということだ。私は彼の『ジギー・スターダスト』の全てを知りたかったし、彼の方も、ジェームス・ブラウンと仕事をするのはどんな感じだったのかなど、何でも知りたがった。私は、そのオレンジの髪は一体何なんだ、グラム・ロックとは何のことなんだと尋ねていたし、彼はチトリン・サーキット(訳注:黒人ミュージシャンや芸人が出演するナイトクラブ)のことを知りたがっていた。彼はジャズが好きで、私はジャズの演奏もしていた。本当に気が合ったよ。

しまいには彼は、「あんたはどんなギターを弾くんだい」と聞いてくるから、私は「カネになるなら何でも弾くさ」と答えた。人間関係がこんな風に始まると、プロフェッショナルな関係になれる。いつもそうなんだけど、お互いのニーズや要望がマッチすれば、素晴らしい音楽が生み出される。

Translation by Kuniaki Takahashi

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