トランプ大統領の口撃にDNA鑑定で反撃...血筋を明かした米上院議員の素顔

エリザベス・ウォーレン上院議員(Photo by Albert H. Teich / Shutterstock)

アメリカ現地時間15日朝、民主党の有力議員であるエリザベス・ウォーレン上院議員は自身のTwitterでトランプ大統領の「ポカホンタス」口撃に対する反撃に打って出た。

7月に行われた共和党の集会で、同議員がネイティヴ・アメリカンの祖先を持つと家系を偽っていると、トランプ大統領が「ポカホンタス」という言葉で揶揄(ポカホンタスとは、17世紀の先住民族女性の名前。一部の先住民からは差別語とみなされている)。さらに「ウォーレンがDNA鑑定を受けないことに百万ドルかける」と言い、万が一鑑定を受けたとしても「彼女が主張するネイティヴ・アメリカンの血筋など出ないだろう」と発言。「もし君が鑑定を受けてインディアンだと証明されたら、トランプの名前で君の好きな慈善団体に百万ドル寄付する」と、そのときトランプは明言している。






そしてウォーレンはDNA鑑定を実施し、その結果真実だったと発表したのだ。






Twitterにアップされた5分30秒の動画には、オクラホマに住む共和党員の家族とかつての雇用主たちのインタビュー、DNA専門家による鑑定結果が映し出されている。

再選に向けて2桁の優勢を保つウォーレンは、中間選挙が終わるまで2020年の大統領選挙へ出馬するかどうか決定しないと言っているが、最近の広報活動を見ると、ウォーレン上院議員は既に大統領選を見据えた地固めを始めているという印象を受ける。

大統領選のキャンペーンでの必需品である政治信念についての書籍も出版し、雑誌にも登場。過去1年間、彼女が最も時間を割いたのが奉仕活動、民主党への寄付活動、そして民主党代表として全米50州を遊説することだったと、10月14日付けのワシントン・ポスト紙が報じた。

この動画とDNA鑑定の結果は、9月に行われたボストン・グローブ紙の徹底的な調査の後、間髪入れずに公表されている。これにより、ウォーレンが主張するネイティヴ・アメリカンの祖先を持つという事実が、かつてウォーレンが教鞭をとっていたハーバード・ロー・スクールなどの法律学校4校での雇用を左右しなかったことが明らかとなった。この記事に関連したるある取材で、ウォーレンはネイティヴ・アメリカンの血統を公にする決断は、彼女の祖母が死去した頃に自分の家族への思いが新たになったことと関連していると語っていた。

ペンシルベニア州立大学で、のちにハーバード大学で紅一点だったウォーレンは、ボストン・グローブ紙に、同僚の中で自分を主張する特徴として、ネイティヴ・アメリカンの血筋を隠すのではなく、強く主張する必要にかられたと述べた。「うつむいたままでいるか、『そう、これが私よ。あなたたちとは違うけど、これが私なの』と言うかのどちらかよ」と。

Translated by Miki Nakayama

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