夫婦ジョイントコンサートに学ぶ、ビヨンセ流・ダンナを尻に敷く方法 

BRITTANY SPANOS | 2018/06/12 18:00

| グッズからメッセージに至るまで、夫ジェイ・Zとの2度目ジョイントツアーで自分のほうがズバ抜けていることをアピールしたビヨンセ(Robin Harper/Parkwood) |


3. コーチェラ伝説は永遠に不滅です

ビヨンセの地位を不動のものとしたコーチェラ・フェスティバルの特大舞台セットは、もちろんあの日限りの特注品だが、「On the Run II」ツアーでもあの歴史的パフォーマンスを思わせる要素があちらこちらで見受けられた。もっとも顕著だったのは、コーチェラでも繰り広げられた女性の地位向上を訴えるメッセージ。「レディース、あなたたちは賢いでしょ? 強いでしょ? こんなことはもう真っ平じゃない?」とビヨンセは観客に呼びかけ、女性の自立を歌いあげるデビューアルバムの1曲「ミー、マイセルフ&アイ」を熱唱した。コーチェラのステージでは、このあとビヨンセが男性ダンサーに「私を笑わせてよ」と指示を出し、男性陣の「うるせえ、俺のタマをなめな」というコーラスが続く、というユーモラスな一幕があったが、今回はパートナーに裏切られた女性たちのスローガンと化した。

4.女性を味方に付ければ怖いものなし

ビヨンセのステージにはつねに人が動いている。「On the Run II」も例外ではなく、最初のジョイントコンサートや趣向を凝らした過去のライブ同様、非常に手が込んだものだった。ジェイ・Zのコンサートはいつもミニマルで、ダンサーやバックボーカル、時にはマーチングバンドさえ盛り込む妻とは対照的だ。言ってみれば、ジェイ・Z 対 ビヨンセ崇拝エリート集団。この対立構図は両者のソロパートで特に顕著に表れ、結果的に流れはビヨンセ側に向かっていった。

5. ことの経緯ははっきりさせておく

今回のツアーグッズのひとつに、セットリストのような形で夫婦関係の系譜を追うことができるアイテムがあった。前面には“HIGHER(もっと高く)”という文字、背中には様々なフレーズを列挙したトレーナーだ。「女帝」「ギャングスタ」「仕事仲間」「友情」「親密さ」・・・と、まるで映画のような2人のロマンスを時系列に並べている。育った環境もパブリックイメージも異なる2人のスターがあどけない若気の恋に落ち、「愛」「憧れ」へと発展し、「諍い」「悪夢」に見舞われながら、最後に訪れる「告白」。2人の恋愛、悲恋、復縁までをつづった系譜は、ひとつの物語として、ステージ内外で公に演じられた。直近のアルバムからもわかる通り、この物語は女性の視点から描かれたものであり、夫は妻の立場から自分を見つめなおす。妻は妻で、夫が免罪に値するかどうかを値踏みする。ヨリを戻すかどうかの最終判断は女性側にゆだねられ、これもまた今回のツアーが対等なものでないことの表れだ。そして2人とも、それで良かったと満足しているのは明らかだ。

Translated by Akiko Kato

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