SpecialThanksが語る、パンクなアルバムを作った理由、フルアルバムとCDへのこだわり

SpecialThanks(Photo by 三浦麻旅子)

SpecialThanksが約4年ぶりのフルアルバム『PUNK RECORDS』を10月23日にリリースする。2023年1月に発表した「Sweet pea E.P.」以降に配信リリースされた5曲に未発表の新曲8曲を加えた全13曲を収録。「地球防衛軍」や「30s PUNKS」など、彼らのルーツであるパンクを軸に紡がれた大作となっている。彼らはどんな想いで今作を作り上げたのか? 楽曲制作や今のバンドの状況についてなど、じっくりと話を聞いた。

─元メンバーの2人が脱退されて約1年10カ月が経ちましたけど、現体制になった直後のお二人の雰囲気ってどうでしたか?

Misaki(Vo.Gt):今の体制になった直後ということは、メンバーが辞めた直後っていうことか。うーん……2人でもやれることを探そうっていうので、まずは企画ライブを決めて「そこに向けて路上ライブしよう」と言って、ストリートライブを始めまして。

よしだたかあき(Dr.Cho):気持ち的にネガティブはそんなになかったかな? はっきり覚えてるわけでもないですけど、でも「なっちゃったことはなっちゃったんだから、今できることを」みたいな。そういうテンション感ではありましたね。

Misaki:やれることやろう!みたいな。アー写も新しく変えて。

よしだ:ここから新たなスペサンの1年目が始まる、というフレッシュな気持ちでいたよね。

Misaki:ずっと4人体制だったので「ギターの練習をしなきゃ」ばっかりを考えていたかもしれない。ライブが3月に決まっていたので、それに向けて練習しなきゃっていうところだったかも。とにかく必死でしたね。

─最初に「自分たちやっていけるよ!」と手応え感じた時のことは覚えていますか?

Misaki:6月9日にやった自主企画(「Fusion Illusion」)かな? ストリートの影響もありお客さんの層もガラっと変わって、いろんな世代の方もそうだし、海外の方もいっぱい来てくれて。そこでやっと手応えを感じたかも。

よしだ:それこそさ、3月に決めたライブは福岡(「TENJIN ONTAQ 2023」)と宮崎(「FACE IT!!」)だったけど、その時はまだギター1本で2曲しか弾けなくて。ほかの曲は同じ日に出てくれたバンドの方にサポートを頼んだんですよ。6月の自主企画では20曲ぐらいやったんですけど、最初の8曲ぐらいは自分たちだけでやって、それ以降はゲストを入れていく感じで。そのぐらいから「あ、意外といいかも」みたいな。

Misaki:その日の企画もすごく盛り上がってね。それに7曲くらいできたら、とりあえずライブはできるもんね。

よしだ:30分尺のライブはできるな、っていう。

─それ以降の活動で思い浮かぶターニングポイントはありますか。

Misaki:それ以降もまた新しい企画をやったりとか、自分たちの自主企画と今年も4月にワンマン(「SpecialThanks ONE MAN SHOW "We are SUNNY"」)をやったりしたので、節目は自主企画のライブかな?

よしだ:確かにね。徐々にやれる曲が増えていく面白みに対して、どんどん気持ちが上がってる自分がいたので「ここがターニングポイント!」というのはなかったかもしれないですね。ただ、バンドに対するモチベーションは全然下がることはなく、という感じかな。

Misaki:ライブをしながら、レコーディングもしてね。

よしだ:そうだね。今回のアルバムの話に繋がるんですけど、去年4月ぐらいから曲作りを始めてて。RECも9月の末ぐらいからしていたので、すべてがグラデーションでいい方向に進んでいった感じがしますね。

Rolling Stone Japan 編集部

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