TEAM SHACHI大黒柚姫、主催イベントでももクロ高城れにらと会場を沸かせまくる

続いては、2部のレポートへ。2部は「柚姫の部屋フェス」の新たな試みとフェスとしての可能性を感じるようなラインナップに。大黒が憧れの存在だと公言してきた、ももいろクローバーZの高城れにがソロで初出演。さらには、他事務所から高嶺のなでしこが初出演を果たした。高嶺のなでしことは、アイドルフェスなどで何度も共演しており、TEAM SHACHIは、高嶺のなでしこの「公式お姉ちゃん」ということで、両グループのファンの間でも認められている存在だ。1部では大黒と各グループのコラボが見られただけに、期待して2部に臨んだファンも多かったことだろう。



まずは、2部もウェルカムルームアクトのル・マイグロからスタート。1曲目はももいろクローバーZの「MOON PRIDE」のカバーを披露。高城への愛とリスペクトが込もったパフォーマンスに。意外な1曲目の始まりに、高城ファンからも盛大なコールが巻き起こる。そして、2曲目は≠MEの「チョコレートメランコリー」のカバーを披露。大黒の趣味が反映された選曲だと思われるが、壮大なコーラスで始まり、ドラマチックに展開するこの曲は、ももクロの「MOON PRIDE」と並ぶことでより映える1曲となったのではないだろうか。2部も1部同様に、「柚姫の部屋フェス」らしい熱い幕開けとなった。



そして、2部の本編は、TEAM SHACHIからスタート。SE「OVERTURE~ORCA~」が流れ始めると、秋本帆華がNO MORE 映画泥棒の被り物を被って登場。続いて、大黒が「この曲、動画撮影OK!」と書かれたプラカードを持って登場する。TEAM SHACHIらしい遊び心溢れるオープニングとなった。1曲目は、1部でも披露した新曲「のんあるすいけん feat.炒飯」でスタート。撮影しながらも、スマホ越しに熱い視線を送るファンの姿が印象的だった。続いて、チームしゃちほこ時代の人気曲「J.A.N.A.I.C.A.」と「いいくらし」を披露。イントロが流れる度に、古参ファンが思わず唸るような2曲が続く形に。そして、次の「あなたのトリコ~究極の愛~」では、「トリトリ」と「プリプリ」のコール&レスポンスが沸き起こる。2部の前半戦のセットリストは、エモーショナルなロックアンセムで固めた1部とはガラっと変えて、コミカルな歌詞やチャーミングな振りが際立つ、TEAM SHACHIらしい新旧のポジティブソングが並べられていたので、1部2部通して参加したタフ民も大満足だったに違いない。そして、ゆったりとMCパートに入るかと思いきや、2部は曲を詰め込んだので、この後もぶっ通しで楽しんで欲しいと語り、すぐさま後半戦へ。

大黒の「最後まで一緒に遊びましょう!」という煽りから、2部はここで「沸き曲」を披露。曲の中盤、咲良が担当する『クイズ$ミリオネア』を想起させるような3択クイズパートでは、MC瀬戸口俊介が所有するメガネの本数がクイズ問題に(正解は4本とのこと)。こうした細かい遊び心も忘れてはいない。さらに、「BURNING FESTIVAL」と「乙女受験戦争」というライブでの大定番曲を畳み掛ける。「BURNING FESTIVAL」での「1、2、3」「フォー!」というコール&レスポンスと「乙女受験戦争」のサビでのペンライトを回す振りで、会場に一体感が生まれ、完全に沸き上がったところで、TEAM SHACHIのライブは終了した。



続いては、高嶺のなでしこが登場。通称たかねこは、HoneyWorksがサウンドプロデュースを手掛ける10人組アイドルグループ。公式姉妹という関係性もあって、初めて「柚姫の部屋フェス」に他事務所のアイドルグループが参加することとなった。アイドルグループでは珍しい3拍子のOVERTURE「OVERTURE~We are TAKANE NONADESHIKO~」が流れると、会場からは自然と2拍目と3拍目に手拍子が巻き起こる。そして、10人がステージに並ぶと1曲目は「可愛くてごめん」でスタート。いきなりのキラーチューンで、会場を一気にたかねこ色に染めてゆく。さらに、「ヒロインは平均以下。」、「すきっちゅーの!」とHoneyWorksがSNSでバズを起こしてきたキュンキュン系、青春系の人気曲を立て続けに披露。そして、「ツインテール あなたの好み」という歌い出しで始まる「男の子の目的は何?」へと続くと、大黒がツインテール姿で登場し、2組のコラボレーションが実現。11人でのフォーメーションに、ファンはもちろんのこと、TEAM SHACHIの他のメンバー達も熱い視線を送っていた。最後に「だから大好き」という歌詞で曲が終わると、すかさずファンから「俺も~!」のコールが送られるというお約束の展開に。

MCパートを挟み、後半戦は「LOVE ANTHEM」でスタート。たかねこには珍しいEDM調のダンスナンバーだ。ミラーボールが回る中、ジャンプをしながら力強く歌う姿が印象的だった。そして、メンバーが口々に「柚姫さん大好き!」と大黒への感謝の気持ちを伝えながら、人気曲「ファンサ」へと続く。今回は、1曲目からHoneyWorks節が効いた可愛い楽曲で攻め続けるセットリストだったが、最後は、アイドルとしての覚悟を歌ったたかねこオリジナルのメジャーデビューシングル「美しく生きろ」で締め括った。横一列に並んだメンバーがステージ前方へと歩いてくるイントロのパフォーマンス、メンバー1人1人の真っ直ぐな視線と表情、歌詞に込められたメッセージに、心を掴まれたファンも多かったのではないだろうか。



そして、2部のトリを飾ったのは、ももいろクローバーZの高城れに。大黒が憧れの存在だと公言し続けてきたスタプラの先輩の「柚姫の部屋フェス」への出演を待ち望んでいたファンも多かったことだろう。会場に、ももクロのおなじみの「OVERTURE」が流れ出すと、紫一色となったフロアからは全力のコールが鳴り響く。そして、ステージに登場した高城が1曲目に披露したのは「沸き曲」。先輩からの粋な演出に、最初はファンも驚きを隠せない様子だったが、1部2部通して、この日三度目「沸き曲」ということで、曲が始まれば会場は一気にひとつになった。途中から、高城のパフォーマンスを盛り上げようと、TEAM SHACHIの4人もステージに登場したのだが、曲中盤の三択クイズパートでは、高城からさらに粋なサプライズが。「今日は特別に、柚姫の好きな所を3つ紹介します。“かわいい”“スタイルがいい”“紫”、大好きだー」というアドリブを放り込むと、大黒含むメンバー全員が感激し、その後のパフォーマンスに集中できないほどに。まさに耳に脳に胸に心に残るコラボレーションとなったのではないだろうか。



ここからは、高城れにワールド全開の「everydayれにちゃん」、「ポジティブ・アテンションプリーズ!」へと続いていく。全国のライブハウスを回るソロコン10周年ツアーのテーマ曲でもある「ポジティブ・アテンションプリーズ!」は、“コールありき”の楽曲ということもあり、高城ファンが初見のファンを引っ張って盛り上げていく。そして、「Tail wind」、「孤独の中で鳴るBeatっ!」の2曲を続けて披露。今回のセトリの中で唯一のももクロ楽曲となった「孤独の中で鳴るBeatsっ!」は、神聖かまってちゃんのの子が手掛けた人気曲。ももクロがロックフェスでもたびたび披露している、フェスには欠かせない曲だけに、高城のソロバージョンでも大きな盛り上がりを見せる。それぞれの曲の落ちサビでは、紫一色に染められたペンライトが大きく揺れる圧巻の景色も見られた。

そして、最後の楽曲は「一緒に」。サビの「生きてく強さになれるなら」、「生きてく強さになりたくて」という歌詞は、高城のファンのみならず、全グループのファンにやさしく響いたことだろう。全曲を通して、ポジティブオーラ全開のパフォーマンスで高城のライブパートが終了すると、2部も最後は全出演者がステージに登場し、「エンジョイ人生」でフィナーレを迎えた。

今年の「柚姫の部屋フェス」は、1部も2部も見所満載の熱いフェスになったのだが、大黒と高城の共演を心から喜び、涙するTEAM SHACHIの他のメンバーの姿が特に印象的だった。そして、大黒が最後に「来年もフェスを開催できるようにがんばりたい」と語る姿も心に残った。今回フェスに参加した人も参加できなかった人も是非、今後の「柚姫の部屋」での感想戦を楽しみにチェックしてみて欲しい。

この夏、TEAM SHACHIは、実に6年ぶりのTIF(TOKYO IDOL FESTIVAL)への出演を経て、8月7日には新EPをリリース。そして、8月10日11日の2日間、埼玉の東武動物公園 イベントステージHOLA!にて、夏恒例のライブイベント「SHACHI SUMMER 2024(シャチサマ)」を開催する。「柚姫の部屋フェス」でも1部2部でまったく違ったセトリを展開したように、シャチサマでも2日間まったく異なるセトリと演出でライブを行う予定だ。TEAM SHACHIが今年の夏をさらに熱く沸かせまくることは間違いないだろう。

Rolling Stone Japan 編集部

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