TEAM SHACHIが語る 「継続は力なり」、マインドチェンジの背景と変わらぬ愛情

TEAM SHACHI(Photo by Rika Tomomatsu)

TEAM SHACHIがプライベートレーベル・ワクワクレコーズを立ち上げてから初となるフルアルバム『笑う門には服着る』をリリースした。ヤマモトショウが手掛けたkawaii曲「おとなりさん」から強烈なラウドチューン「舞頂破」まで非常に幅広いサウンドを網羅。メンバー曰く「やりたいことを全部やってみた」という、枠にとらわれない姿勢で取り組んだ結果、清々しいほどの快作が生まれた。

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今回のインタビューにはメンバー全員が登場。新作のことだけでなく、990万回超えの大バズを巻き起こしたTikTokアカウント「待ち合わせに、飽きもと。」の裏側をはじめ、プライベートレーベル設立以降の4人の成長にスポットを当て、じっくりと話を聞いた。そこには以前とは意識の異なるTEAM SHACHIがいた。今の彼女たちはよりポジティブで、より愛情深く、自由で、戦略的だ。

―プライベートレーベルを立ち上げて1年半が経ちました。ひと通り自分たちでリリースなどを経験してみたことで、これまで以上に音楽業界の仕組みが見えるようになっていると思います。何か感じることはありますか。

大黒柚姫 今はアルバム制作のための会議にも参加するようになっていて、「今、こういう楽曲が届いています」とか「どういう楽曲が欲しいですか」とか、今までより深いところまで関わらせていただくことが増えたので、今回のアルバムでよりプライベートレーベルになったなっていう感覚があります。たとえば、「沸き曲」は最初は収録の候補にはなかったんですけど、「こういうのも届いているんですけど、どうですか?」って言われて試しに聴いてみたら、私たちにとっては今すぐ欲しいタイプの曲だったので制作されることになったり。

坂本遥奈 リリースイベントの特典会ひとつとってみても、こういうことやりたいね、ああいうことやりたいねっていう話をすごく近くでできるようになったし、メンバー発信の意見も採用されることもあるので、間接的ではあるけど、直接ファンの方に届けられてる感覚がより強くなってる気がします。それと同時に、自分たちの発言一つひとつに対してしっかりと意識を持たないといけないとも感じます。

―逆に適当なことが言えなくなるという側面もありますね。

坂本 責任感が求められますね。だからこそ、いろんなところにアンテナを張らなきゃいけないっていう意識はそれぞれ持つようになったと思います。ライブ制作に携わるようになってからは、ライブを観に行かせてもらう機会があると「あ、こういう演出もいいな」とかこれまで以上に熱心に観るようになってます。

―楽しいですか。

坂本 楽しいです!

―でも、大変さもありますよね。

咲良菜緒 ハル(坂本)が言ったみたいに、自己プロデュースする機会が増えてるから人にお任せっていうことはできないし、考えたこと、やりたいことの責任すべてを自分たちも背負わなきゃいけないっていうのは難しいけど、でも……それが大人になったってことだよね(笑)。

大黒 なったなった(笑)。

―自分たち発信で話す機会が増えたことで、ほかのメンバーに対して「あ、そんなこと考えてたんだ」みたいに感じることはありますか。

大黒 例えば、今やってるツアーではメンバー同士で話すことが増えて、ハルがメインでセットリストをスタッフさんと会議して決めてくれてるんですけど、そこで決まったことをメンバーに伝えて、そこからまたメンバーの意見をすくい上げてスタッフさんに持っていくっていうパイプ役をしてくれていて。

―そうなんですね。

大黒 あと、私たちは今、満員の武道館でライブをするという目標を掲げているんですけど、どうやったらそこへ近づけるかとかそういったことを移動中のふとした時間とか、スタッフさんがいないところでも自然に話すようになっているので、それはすごくいい変化だと思います。そうやってみんなで話してる中でそれぞれが考えてることをより知ることができているので、今回のツアーとアルバム制作は TEAM SHACHIとしてめちゃめちゃ大きいですね。いろんな部分で大きな一歩になったなって感じます。

―いま武道館の話が出ましたけど、ただそこに立てればいいのではなく、満員にしないとダメなんですね。

大黒 はい。やれたらいい、ではなくて、やっぱり満員の景色が見たいですね。今、コロナ禍を乗り越えてライブハウスツアーを回っているんですけど、ありがたいことにソールドアウトもたくさんいただいていて、それはみんなで乗り越えたからこそだと思うので、その恩返しもしたいですし、タフ民も一緒に全員で武道館に行って満員にするというのがこだわっているポイントなんです。だから満員というのは重要です。

坂本 ステージを用意していただいてパフォーマンスをすること自体は満員じゃなくてもできちゃうのを知ってるからこそ満員でやりたいし、チームしゃちほこ時代に2回武道館でやっていて、きてくださったみなさんにとってはどちらも素敵な思い出で、私たちも一緒なのは大前提なんですけど1回目は超満パン、2回目はそこまで至らなかった経験を両方しているからこそこだわっているところもあります。それに武道館は2階席の一番上まで人が入ってこそだし、それができるのが本物だと自分たちは思ってます。だから、そこはこだわっている部分かもしれない。

秋本帆華 10年前に初めて武道館に立たせていただいたんですけど、 今のシャチならより理想のパフォーマンスができるだろうし、そんな私たちを見てほしいなって思います。当時武道館に来ていただいた人はもちろん、そうでない人にも今のシャチを見てもらいたいです。

―今、TEAM SHACHIの輪を広げるためにいろいろとPR活動をしている最中だと思うんですが、今のところ一番手応えがあるのはTikTokで展開していた「待ち合わせに、飽きもと。」だと思います。TEAM SHACHIのメンバーだと明かさず、普通の待ち合わせ場所でハルさんが全力でダンスをする様子を俯瞰で収めるという。横浜アリーナでのネタばらしまで含めてよくできていました。あれはすごかったですね。

秋本 上手くハマりましたね(笑)。

大黒 嬉しかったです、とっても。

秋本 待ち合わせというフォーマットにたどり着くまで実は10か月ぐらいかかっていて、いろんな試行錯誤をした末の「待ち合わせに、飽きもと。」なんです。

@machiawase_akimoto まってそんなのあり??www#TEAMSHACHI #待ち合わせは横アリで ♬ 沸き曲 - TEAM SHACHI


―そうだったんですね!

秋本 シャチの楽しさが伝わるような、「私たちはこんなふうに楽しく踊ってるんだよ」っていう、一番私たちらしいバズり方ができました。

―じゃあ、他にもアカウントを作っていろいろ試したりしてたんですか。

咲良 そうなんです。

―それをひっそりと。

咲良 そうです。

坂本 アイドルのかわいさを全面に出したものを載せたりもしてたんですけど、最終的には顔を出さずに遠くのほうで踊ってるっていう(笑)。


咲良菜緒(Photo by Rika Tomomatsu)


坂本遥奈(Photo by Rika Tomomatsu)

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