otsumamiが語る活動3年目の変化、宮沢賢治の言葉と描いた「大人は忙しい」の真意

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2022年の結成以降、良質なポップチューンをコンスタントに発表し続けているクリエイターユニットotsumami。AKB48「365日の紙飛行機」を筆頭にさまざまなアーティストへ楽曲提供を行っている青葉紘季が率いるteamOUCAが楽曲制作を手がけ、ゲスの極み乙女とのコラボで話題を集めた福井伸実がアートワークを担当、そしてフィーチャリング・ボーカルには北海道のアイドルグループ・タイトル未定で活躍する冨樫優花がmikan名義で参加し、多方面から注目が寄せられている。

5月24日には今年2作目となるシングル「大人は忙しい」をリリースし、6月24日には初のスタジオライブ映像「mikansei」をYouTubeで公開するほか、ライブ映像+音源を収録した特別パッケージも発売。ユニットとしての実態がより明確になり始めたこのタイミングに、首謀者である青葉とすべての楽曲でボーカルを務めるmikanにユニットの「これまで」と「今」、そして「これから」について話を聞いた。

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─otsumamiが始動してから2年ちょっと経ちましたが、周りからの反響や作品に対する手応えはそれぞれどう感じていますか?

青葉:僕は最初、ただ楽しみながらやっていくという、わりとユルい感じでスタートしたところがあって。特に、僕にとっては久しぶりのアーティスト活動みたいなところもあるから、そこで喜んでくださる方もいるんですけど、自分の性というか、普段の僕はJ-POPの楽曲提供などの生業とする作家なので、真剣になればなるほど「もっといい作品を作りたい」と追求してしまいがちなんです。とはいえ、ここまで楽しくやれていると思いますよ。

mikan:私は普段、タイトル未定というアイドルグループで活動しているんですけど、「タイトル未定の冨樫優花」が「otsumamiのmikan」と同一人物だってことを去年の夏まで発表していなかったんですね。それまではSNSだったりインターネット上で一方的に反響を目にするだけでしたけど、最近はotsumamiを聴いてタイトル未定のライブに遊びに来てくださる方がいて。そこでやっと「届いているんだ」って実感できて、すごくうれしかったです。

─では、この2年ちょっとでユニットの在り方に対して変化を感じる瞬間はありましたか?

青葉:otsumamiを始めたときに何曲かストックがあって、それはボーカルが誰とか想定せず作ったものだったんです。で、たまたま僕がタイトル未定に楽曲提供していたという経緯もあって、mikanの歌声がすごく気になっていたので、彼女が北海道から東京に来るタイミングに「ちょっと歌ってみてくれないかな?」とotsumamiの曲を歌ってもらったら、「これはボーカルとして迎え入れたい!」となって。その瞬間から、mikanが歌うことを想定して曲を作るようになりました。そこを踏まえて最初に作ったのが「3373」という、2022年の夏に発表した曲。あのへんからotsumamiっていうものが、なんとなく思いつきの集団ではなくある種バンドに近い、本当のグループになったと思います。しかも、「3373」の前に「タイムカプセル」という曲もリリースしているんですが、「3373」と「タイムカプセル」は同じ時期にできた曲で、「タイムカプセル」はmikanが歌詞を書いている。そう考えると、やっぱり2022年の夏くらいにパチンと切り替わったんでしょうね。





Rolling Stone Japan 編集部

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