クリストファー・エリスが語る、偉大な父のレガシー、レゲエを歌う理由

シュガー・マイノットとの関係

ーシュガー・マイノットとの関係についても聞きたいのですが、あなたがキングストンにいた時、シュガーが面倒を見てくれたんですよね。

そうだよ。シュガー・マイノットは僕のストーリーの中ではスゴく重要なんだ。父が亡くなった時、葬式にシュガーが来て、そこで歌を歌ってくれたんだ。歌を歌い終えた時、シュガーは僕に「今からおまえは僕の息子だ。いつでもスタジオに来てくれ」って言ってくれたんだ。それで僕は毎日スタジオに行って、毎日シュガーとハングアウトして、チャラスを吸ってた。しかもシュガーの長男の名前はアルトンなんだ。父の名前から取ってつけた名前だ。シュガーは父のことを大好きで、僕のことを息子のようにかわいがってくれたよ。シュガーとはマーリー兄弟と仕事をするまでずっと、1年半くらい一緒にやってたよ。ジャマイカにいる時は毎日シュガーのところに行ってた。シュガーには感謝しかないね。

ースティーヴン&ダミアンのマーリー兄弟が運営する「GHETTO YOUTHS INTL.」からデビューEP『BETTER THAN LOVE』をリリースしていますが、マーリー兄弟とはどのようにつながったのですか?

クーリーというスティーヴン・マーリーの親友がいてね。「おまえは素晴らしいシンガーだから、マーリー兄弟と一緒にやるべきだ」って言うんだ。話だけかと思ったら、「来なよ。車に乗って」って言われて、ボブ・マーリー・ミュージアムに連れていかれて。そこにはたくさんの人に囲まれたスティーヴン・マーリーがいたんだ。「スティーヴン、彼はアルトン・エリスの息子のクリストファーだ」って紹介されて。「ヤマン、もちろん知ってるよ」って言われて。僕がやったライブのことを知ってくれてたんだ。そこで誰かが「スティーヴンのために歌ってよ」って言うんだ。それで次の日には「End of Time」を作ることになった。24時間後のことだよ。ここから僕の人生が大きく変わったんだ。

ーいろんな人のつながりが偶然というよりも必然だったような感じがしますね。

僕もそう思う。運命だったのかもしれないね。起こるべくして起きた感じなんだ。こんな風に祝福されるなんて、神には感謝しかないよ。僕は恵まれてると思うね。

ーレゲエ・ファンからすると、アルトン・エリスの息子がボブ・マーリーの息子と一緒にやっているなんて、スゴすぎますけどね。

このストーリーのすべてがスゴいよね。これはトレンチタウンで生まれたものだから。レゲエ・アーティストのすべてがトレンチタウンというわけじゃないからね。ボブもアルトンも、ジョン・ホルトもデニス・ブラウンもトレンチタウンなんだ。それでボブの末っ子とアルトンの末っ子が一緒にやってる。素晴らしいストーリーだと思うよ。

ー曲についても聞きたいのですが、最新リリースは「Remember That Sunday」ですか?

そうだよ。マーシャ・グリフィスと一緒にやった曲だね。Penthouseからのリリースだ。この曲のオリジナルはアルトン・エリスとフィリス・ディロンなんだ。良い曲になったと思うよ。5月に彼女がマイアミでアニバーサリーのショーをやる時は僕も出演して、この曲を一緒に歌うんだ。



ー2023年は「Stick Together」という曲をリリースしていますが、歌もいいし、リリックもいいんですよね。

ありがとう。「Still Go a Dance」「Rub a Dub」「Stick Together」の3曲はいとこ同士みたいなものなんだ。もちろん違う曲なんだけど、同じ流れにある曲で、この3曲はダブプレート・カルチャーを讃えてる。特に「Still Go a Dance」、「Rub a Dub」は大きな成功を収めることができた。「Stick Together」は今もまだ伸びてるところだ。



ーこの3曲はどのようにして生まれたのですか?


僕が音楽について語る時、いつも同じアーティストの名前を出すんだけど。ジョン・ホルト、デルロイ・ウィルソン、ケン・ブース、デニス・ブラウン。そういうアーティストがいつも頭の中にあるんだ。「Still Go a Dance」を作った時は、もっとこういうアーティストの曲をやらなきゃと思ったんだ。それで「Yes we wha hear some Dennis / You can play anyone / Or even few Alton Ellis / Cah we love every song / And even draw couple Beres / Mek the crowd sing along / And nice up the place」って歌ってる。デニスの曲もアルトンの曲もベレス・ハモンドの曲も聴きたいし、もっと讃えたい。みんなで歌ってダンスもしたいんだ。



ー「Black On Black」という曲は、フックのリリックはお父さんの曲と同じですが、他はオリジナルですよね。

ヴァースを変えたんだよ。「Black On Black」はイギリスにおける犯罪について歌った曲だ。イギリスでは毎週キッズがナイフで刺されて殺されてるんだ。クレイジーだよ。黒人が黒人を殺す「Black On Black」な犯罪が今は多いんだ。

ーもうすぐニュー・シングル「Lessons of Love」をリリースするんですよね。

今この曲のリリース日をいつにしようか話してるところだ。ラブソングなんだけど、普通のラブソングとは違うものになってる。「Oh baby, I love you」なんてことは歌わない。もっと違うやり方で愛について歌ってる。良い曲だと思うし、僕自身も気に入ってる。これはある人のことを思って作った曲なんだよ。

ー待望のEPもリリースされるんですよね。

気が変わったんだ。EPじゃなくて、アルバムになる。EPはすでに出してるし、いよいよアルバムのタイミングが来たと思うんだ。11曲収録のアルバムになるよ。17曲のまあまあの曲を集めたアルバムじゃなくて、11曲の素晴らしい曲ばかりのアルバムだ。

ー11曲ということは、バリエーション豊かな曲を集めたものになりそうですね。

そこは重要なところだ。いろんなテーマの曲を入れるつもりだ。ラブソングが多すぎてもいけないし、同じテンポの曲が多すぎてもいけない。アルバムとして曲が集まった時に、リスナーのためにもバリエーション豊かなものにしたいと思ってる。

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