「裁判はまだ終わっていない」…妻とお腹の赤ん坊を殺害した終身刑受刑者、突然の無罪アピール

サンマテオ郡上位裁判所に出廷するスコット・ピーターソン(ANDY ALFARO/THE MODESTO BEE/TRIBUNE NEWS SERVICE VIA GETTY IMAGES)

DNA鑑定や科学捜査で冤罪証明を行うアメリカの民間の活動機関「ロサンゼルス・イノセンス・プロジェクト(LAIP)」が、スコット・ピーターソンの事件を捜査している。ピーターソンは妻のレイシ・ピーターソンさん殺害で第1級殺人罪、お腹にいた息子のコナー君殺害で第2級殺人罪に問われ、2004年に有罪が確定した。

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「LAIPはスコット・ピーターソンに代わり、無罪の主張を調査しています」と、同団体は地元放送局NBC LAに声明を宛てた。「現時点では、これ以上の発言は控えさせていただきます」。

ピーターソンの弁護人を務めるパット・ハリス氏もLAIPが事件を引き受けたことを認め、「LAIPの経験豊富な弁護士が加わり、スコットの無罪を証明するために知見を結集して下さり、嬉しいかぎりです」と同局に語った。

妊娠8カ月で息子コナー君をお腹に宿していたレイシ・ピーターソンさん(当時27歳)は、2002年のクリスマス・イブに行方が分からなくなった。スコットは2002年12月24日の朝、サンフランシスコ湾で魚釣りをするためカリフォルニア州モデストの自宅を後にした。妻はその後殺されたのだと本人は主張している。だが次第に警察や世間から疑いの目を向けられ、やがて第一容疑者として浮上した。

数カ月にわたる陪審員選出と裁判を経て、世間が注目する中、スコットは2004年11月13日、妻とお腹の子どもを殺害した罪で有罪判決を言い渡された。

弁護団は再審請求を申し立て、2004年の裁判で陪審員を務めたリシェル・ナイス氏が違反行為を働いたと主張した。だが2022年12月に再審請求は却下され、スコットは現在も仮釈放なしの終身刑に服している。

ハリス弁護士は当時CBSニュースのインタビューで「裁判はまだ終わっていない」と発言し、ピーターソンが妻を殺していないことを証明する新たな証拠を入手したと語った。

さらにハリス弁護士は、ナイス氏の違反行為を認めなかった判事の判断について、「敬意を払いつつも」賛同しかねると付け加えた。

Akiko Kato

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