Balming Tigerが語るオルタナK-POP、NewJeansへの共感、韓国が音楽シーンを制す理由

結成の経緯、オルタナK-POPの真髄

―バックグラウンドは様々ということですが、各メンバーとはどのように知り合ったのですか?

Omega:韓国のサブカルチャーシーンはすごく盛り上がってきてるんだ。ただ、今はまだ巨大ってわけじゃないから、アーティストどうしがごく自然に繋がるんだよ。ディレクター/CEOのSan Yawnは、Balming Tigerのリーダー的存在。このグループは彼を中心として集まったんだ。

San:元々sogummの曲が好きで、彼女と何か一緒にやりたかった。それからしばらくして、彼(Omega)の音楽に興味を持ったんだ。

Omega:彼(San)はまるでポケモンのコレクターさ!


Clive Barで行われたDr. Marten’sのショーケースでのBalming Tiger(Photo by Griffin Lotz For Rolling Stone)

―グループの究極の目標があるとすれば何でしょう?

Omega:俺たちは目標を決めないようにしている。自分たちが今この瞬間を思いきり楽しむことで、人々にいい影響を与えられたらと思ってる。俺はアメリカに住んでいたことがあって。2012〜13年の間、ニュージャージーに住んでたんだけど、当時は目標にしたくなるようなアジア人のロールモデルがいなかった。ブルース・リーは例外だけど、60年代の人だからね。この国の社会で、俺は自分の居場所をまるで見つけられなかった。誰を手本にすべきなのか、誰の背中を追いかければいいのか、まるでわからなかったんだ。それで思ったんだよ、俺自身がそういう存在になって、当時の俺のような人々をエンパワーしたいって。俺らを見て「アジア人でもクールな存在になれるんだ」って感じてもらうこと、それが俺の目的なんだ。



―素晴らしいですね、あなた方は皆際立った個性の持ち主だと思うので。次の世代の人々を、どのような形でインスパイアしたいと思っていますか?

Omega:韓国の若い世代の人々に、可愛くなくてもハンサムでなくても、何もかも完璧じゃなくてもいいんだって知ってほしい。自分の信じた道を進めばいいんだって。Balming Tigerを見て「好きなようにやればいいんだ」と思ってほしいんだ。それがきっかけで自分のスタイルを追求する人が増えれば、韓国のサブカルチャーはますます豊かになっていく。それがK-POPをずっと支えていくんだ。

―あなた方は自身の音楽を「オルタナK-POP」と形容していますが、それは何を意味しているのでしょう? K-POPのシーンをどんな風に発展させていきたいと思っていますか?

Omega:その前に「K-POPとは何か」ってことじゃないかな。俺らが思うに、この言葉はジャンルを指してるわけじゃない。K-POPにはR&Bもあればヒップホップもあるし、他にも色々あるわけだから、ジャンルを特定することはできない。あえて言うなら、K-POPは現象なんだよ。何でもありっていうのがK-POPの特徴だけど、俺たちはそれですら窮屈に感じてしまうから「オルタナティブ」っていう冠詞を使ってるんだ。

Translated by Masaaki Yoshida

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