だからこそ、仲間を呼ばず一人でライブを演じ切ったLEXは、どこか孤高の輝きをまとっていたように見える。最新作『King Of Everything』は内省的な作風だったが、「これが私です」と呟き「This Is Me」を歌い没頭する姿には、破滅的な危うさが漂っていた。ヒップホップ・フェスの中にあって、彼だけはいつもロック・アーティストのようなたたずまいだ。
SEEDA(DAY 1)
Jin Dogg(DAY 2)
IO(DAY 1)
KEIJU(DAY 2)
DJ RYOW & FRIENDS(DAY 1)
STUTS(DAY 2)
Awich(DAY 2)
POP YOURSに限らないが、昨今の大型ヒップホップ・フェスが抱える大きな悩みに、ヘッドライナークラスの顔ぶれが似通ってきているという問題がある。そうなると若手~中堅をいかにヘッドライナーとして成立するレベルまで育てていくかという点に期待が膨らむが、LEX、Tohji、ralphにはタレント性、力量ともにまだまだ尽きない可能性を感じた。大きなプレッシャーをはねのけ、ますます存在感を増していくラッパーたち。もちろん若手の新陳代謝も良好で、昨年「New Comer Shot Live」の枠だったCandeeやMFS、Skaaiは今年はメインのスロットへ昇格。来年も、今回のNew Comer枠から何人かが昇格するだろう。