米俳優のレイプ裁判再審、新興宗教団体が被害者に「口封じ」

ダニー・マスターソン(ANNA WEBBER)

米俳優・ダニー・マスターソンのレイプ裁判の再審が2023年4月24日(月)に幕を開けた。検察はロサンゼルスの裁判所で行われた冒頭陳述で、『ザット‘70sショー』の主演俳優が20年近く前に3人の女性を強姦したとあらためて陪審員に主張した。マスターソンは容疑を否認し、無罪を訴えているが、もし有罪となれば懲役45年が求刑される。

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ヴァラエティ誌も報じているように、地方検事局のレインホールド・モラー検事補は前回の裁判よりも――起訴内容1件で陪審員が全会一致に至らず、11月に無効審理となった――マスターソンが女性をレイプする前に薬を盛った点に焦点をしぼった。前回の裁判でモラー検事補と証人は、さほど酒を飲んでいなかったにも関わらず吐き気を催したり、記憶が飛んだり、気分が悪くなったという症状がすぐ現れたとたびたび主張していたが、違法薬物摂取での直接起訴には至らなかった。だが今回、モラー検事補は単刀直入だった。

ヴァラエティ誌によると、モラー検事補は冒頭陳述で「証拠から、女性たちが薬を盛られていたことが明るみになるでしょう」と述べた。また専門家を証人として呼び、レイプドラッグの症状について説明してもらう予定だとも語った。

前回の裁判では最後まで陪審員の意見がまとまらなかった。いずれの起訴内容でも陪審の大多数が無罪に傾いていたが、地方検事局は1月の段階で再審を発表した。

再審では、マスターソンにレイプされたという4人目の女性も証言台に立つ予定だ(ただし、女性3人のレイプ疑惑との関連はない)。前回の裁判ではマスターソンからレイプされたと主張する3人の被害者女性が証言台に立ち、生々しい証言をした。時には暴力が伴い、レイプの最中にマスターソンが銃を振り回したり、女性の髪を掴んで引きずったこともあったという。

情報サイトDeadlineの報道によると、マスターソンの弁護人を務めるフィリップ・コーエン氏は24日の冒頭陳述でも前回と同じように、女性たちは主張を裏付ける証拠に乏しく、互いに話を合わせて筋を通していたため信憑性にかけると主張した。また、本裁判では麻薬に関する起訴はない点も挙げた。

Akiko Kato

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