尾崎裕哉が語る、父・尾崎豊の名曲「I LOVE YOU」をいまカバーした理由

尾崎裕哉

シンガーソングライター・尾崎裕哉が2023年4月5日に新作EP『I LOVE YOU』をリリースした。今作は、父である尾崎豊の名曲をカバーした「I LOVE YOU」と「OH MY LITTLE GIRL」とオリジナル2曲で構成されている。デビュー以来、ライブなどで度々歌ってきた楽曲だが、今回が初の音源化となる。なぜ今、改めて尾崎豊の曲を歌い音源化することになったのか? その想いを存分に語ってもらった。

関連記事:崎裕哉、10年間の集大成的アルバムを語る 父・尾崎豊の存在と「変わり者」の美学

―デビューからここまで、テレビ番組やライヴで父・尾崎豊さんの曲を歌っていたことはありましたよね。なぜこのタイミングで音源化しようと思ったのでしょうか。

昨年、尾崎豊が亡くなって30年の節目として「OZAKI30 LAST STAGE 尾崎豊展」が行われたんですけど、関連して色んなカバーをしたりイベントに出る機会があったことで、自分と尾崎豊の関わり合いをもう一度見つめ直す時間があったんです。その中で、「カバー音源を残すのっていつやるんだろう?」と思ったんですよ。自分の10年先のことを考えて、そのときに音源化しても、もう遅いなと。やるなら早ければ早いほど良いし、「今しかない」と思ったんです。

―それはどうしてですか?

自分の声はもともと尾崎豊に似ていたし、そこに触発されてアーティストとしてやってきたんですけど、年を重ねるごとにどんどん声質が変わって行って、自分のオリジナルの声になってきたんです。

―歌い始めた頃は、意識的に真似て歌ってみようみたいな気持ちもあったわけですか。

いや、意識的に真似ていたわけではないんですけど、尾崎豊をコピーして歌いまくって自然と身についたクセとかがいっぱいあって。自分のオリジナル曲と尾崎豊の曲って歌い方が全然変わるんですけど、尾崎豊を歌うことで鍛えていた自分がだんだんいなくなって、自分のオリジナル曲に合わせるような声になってきたんです。それが良くもあり、ちょっとさみしくもあって。「どんどん声が変わっているなら、今しか残すタイミングはないな」って、一番フレッシュな状態で出せるのが今だと思ったんです。

―裕哉さんが尾崎豊の曲を「良い曲だな」と感じた一番最初の瞬間って記憶にありますか?

瞬間というか、初めて聴いたときから思っていました。家だと父の曲が流れることがあんまりないんですけど、毎年お墓参りに何度か行くときには車の中でかけていて。そこで「ああ、良い曲だなあ」って聴いていた感じですね。「良い声だな」とか「良いこと言ってるな」とか。歌詞はもちろん、ライブアルバムが流れていることが多かったので、ライブのMCでも良いこと言ってるなと思いました。

Rolling Stone Japan 編集部

Tag:

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE