ヘイトクライムで起訴された男性、「ガス室の画像」「コロナはユダヤ」陰湿なメールの数々 米

逮捕後、ユダヤ教指導者らはソーシャルメディアが反ユダヤ的な憎悪を拡散していると非難した。ロサンゼルス圏ユダヤ人連盟の会長兼CEOのノア・ファルカス師は、ヘイトスピーチの日常化に関するソーシャルメディアの影響力を「ロケット燃料」にたとえた。「Instagramのフォロワー数が世界のユダヤ人人口を上回るような有名人が、反ユダヤ的な物言いでユダヤ人を非難することが可能になっています。ヘイトスピーチの常習化は続くばかりです」と、同師はカニエ・ウェストを引き合いにしてローリングストーン誌に語った。名誉毀損同盟によると、昨年末ウェストが発した反ユダヤ的な暴言から火がついて、ウェストの名を騙る破壊行為や嫌がらせ、恐喝が起きているという。

サイモン・ウィーゼンタール・センターのエイブラハム・クーパ―師も、起訴が発表された17日の会見で同じような意見を述べた。クーパー師いわく、「TikTokやTwitterなど大手ソーシャルメディアはずいぶん長いこと憎悪の課金を止めてこなかった。種類を問わずコミュニティにうがった見方をする人々は、こうした強力なマーケティングツールを活用して憎悪をまき散らしている」。

ロサンゼルスのユダヤ人コミュニティは連邦起訴を歓迎するものの、昨今の反ユダヤ的な事件のせいで人々は恐怖や怒りを感じている、とファルカス師は言う。「堪忍袋の緒が切れています。みな恐怖や不安を抱き、通りを歩いたらいいものかと考えあぐねています」と同師。「今では怒りも(感じています)。こうした新たな感情が沸きあがっている理由は、ヘイトスピーチは憎悪犯罪につながることをユダヤ人コミュニティは以前からずっと継承を鳴らしていたからです」。

トラン容疑者は17日午後に初出廷する予定。そこで起訴内容が通達され、保釈の可否が話し合われる。大陪審の起訴が申し立てられるまで、罪状認否は行われない見込み。有罪になれば、最大で終身刑が求刑される。

記事掲載時点では、トラン容疑者に弁護人がついているかどうかローリングストーン誌は確認できなかった。

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from Rolling Stone US

Akiko Kato

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