ヘイトクライムで起訴された男性、「ガス室の画像」「コロナはユダヤ」陰湿なメールの数々 米

銃撃はトラン容疑者の反ユダヤ的な言動がエスカレーションしたものとみられる。供述書には、トラン容疑者が2022年末、歯科学校時代のクラスメートに反ユダヤ的なメッセージやメールを何度も送っていたとある。ある元クラスメートの供述によると、トランは2018年に退学になっていた。供述書によると、そのクラスメートは(供述書にはM.N.H.とイニシャルのみ記載)ユダヤ人で、電話やボイスメールや携帯メッセージでトランから何度も脅迫されていたという。携帯メッセージの中には「消え失せろ、ユダヤ人。くそユダヤ人は今夜自殺しろ。お前なんか死んでしまえ、ユダヤ人め。誰かがお前を殺しにいくぞ」「オーブンに焼かれろ、くそユダヤ人」といったメッセージにガス室の画像が添付されていたとみられる。

トラン容疑者は2022年11月と12月にも元クラスメート数十名にメールを送り、ユダヤ人についての憎悪的なコメントや新型コロナウイルスのパンデミックを取り沙汰していた、と供述書には書かれている。そうしたメールの中には、「コロナはどこからどうみてもユダヤの臭いがする」と書かれたチラシの画像が添付されていた。

この週の2件の犯行でに使われたのは拳銃だが、裁判資料にはトラン容疑者が逮捕時にAK式ライフルを携行していたとある。裁判記録によると、16日夜カテドラル市警察署に通報があり、銃声がして銃を持った男を見かけたという目撃情報が入った。事件現場からは1時間ほど離れていたという。

警察が現場に到着すると、車の脇でトラン容疑者を発見し、助手席からは38口径の拳銃とAK式ライフルが見つかった。先の事件現場に落ちていた薬莢から、拳銃は事件で使われたとみられる凶器と同じ型だった。逮捕時にはAK式ライフルから発射された薬莢も発見された。

容疑者が逮捕される前の16日、警察はピコ・ロバートソン周辺のユダヤ人コミュニティで発生した2件の銃撃に関連性があるとみて捜査していることを初めて明らかにした。警察の発表によれば、1件目は15日午前10時ごろシェナンドー通りで発生。それから24時間も経たない16日午前8時30分前後には、わずか1ブロック先のサウスベドフォード通りで2件目が発生した。当時の発表では、容疑者は「口ひげとあごひげを蓄えたアジア系男性で、白のコンパクトカーを運転しているとみられる」と伝えられ、警察は情報提供を呼びかけていた。

Akiko Kato

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