「半虫半人」を題材にしたロマンス小説、TikTokで炎上した盗作問題 米

盗作容疑を否定しているブリンコウ氏は一貫して、両者の作品に見られる共通点は登場人物が擬人化したクモだという点だけだ、と主張している。ブリンコウ氏はローリングストーン誌に宛てた声明で、『Heart Throb』の執筆を開始したのはティファニー・ロバーツのシリーズを読む前だったこと、『Heart Throb』の表紙に問題はないかとフロイント夫妻に質問したところ、メッセージをブロックされて既読無視されたことを語った。バッシングを受けたため『Heart Throb』をAmazonから完全に削除したが、そのために書き直しができなくなったとも述べている。

「あちらからご連絡をいただいていたら、こんなことはすべて解決できていたでしょうに。どこを変更するべきか、あちらと一緒に作品を見直すこともできたでしょうに」とブリンコウ氏。「アーティストの件ですが、あくまでも参考写真としてあちらのアートワークを使わせていただきました。その後は無料サンプル画像の写真や他の参考写真に変えました。(ティファニー・ロバーツと)一緒に仕事をしていないアーティストにも大勢仕事を依頼しています」

モンスター系ロマンスという狭いコミュニティでは、似通ったタイプの登場人物が出てくることがよくある。それはフロイント夫妻も認めている。だが夫妻はスパイダーものを手がける大勢の作家をずっと応援し、甚だしいパクりがあった時だけ異を唱えてきたと言う。ブリンコウ氏に対して嫌がらせをそそのかしたことは一度もなく、読者にも中傷的なコメントをしないよう度々お願いしている、とも付け加えた。

「誰がクモのヒーローものを書いたって構いません。多ければ多いほど楽しくなります! でもひとつ言わせていただくと、私たちのvrix(登場人物のクモの名称)と、皆さんが書いたクモのヒーローはどれも(物語の章立てやあらすじも)違います」とフロイント夫妻。「私たちは自分たちの代わりであろうとなかろうと、第三者を攻撃してくれと頼んだことは今まで一度もありませんし、そう願ったこともありません」

だがブリンコウ氏は主張を曲げず、いまだにティファニー・ロバーツのファンから嫌がらせを受け、問題の作品以外でも被害に遭っているという――そうした嫌がらせを「助長」しているのはフロイント夫妻だ、というのが彼女の言い分だ。

「私に嫌がらせをするあちらのファンには手を焼かされます。私の新刊の見本を受け取ってもいないのに、先行予約で1ツ星をつけて評価を落とそうとしたり、数か月前から私のTikTokにひどい書き込みをしたり」とブリンコウ氏は言う。「『Ensnared』とは似ても似つかないクモ男シリーズ「Zxalian Mate」に矛先を変え、盗作だと言いがかりをつけてきたり。本当に残念です、お2人を心から尊敬していたのに。でもあちらはファンが多いので、私の言い分は聞いてもらえません。本当にがっかりです、私に弁明のチャンスを与えてくれさえすれば、こんなことは避けられたのに」

Akiko Kato

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