「半虫半人」を題材にしたロマンス小説、TikTokで炎上した盗作問題 米

モンスターファッカー事件

人気作家の1人にティファニー・ロバーツがいる。ティファニーさんとロバートさんのフロイント夫妻のペンネームだ。夫妻はティファニー・ロバーツ名義で、モンスターや半獣半人のアンチヒーローを主人公にしたロマンス小説を何十冊も自費出版している。中でもBookTokで注目を浴びたのが、アイヴィー・フォスターとvrix(擬人化されたクモ)の恋人ケターンを描いた「The Spider’s Mate(クモの恋人)」3部作だ(第1作『Ensnared(罠)』、第2作『Enthralled(誘惑)』、第3作『Bound(束縛)』)。

だが『Ensnared』の出版から1年ほど経ったところで、メリッサ・ブリンコウという別のロマンス作家がセクシーなクモ男を題材にした物語『Heart Throb(胸の高鳴り)』を出版した。ティファニー・ロバーツのファンは似通っている点があるとしてフラグを立て、インスパイアとあからさまなパクリの境界線をめぐって論争が勃発した。

ティファニー・ロバーツことフロイント夫妻は、ローリングストーン誌の取材もコメント要請も辞退した。だがティファニー・ロバーツの公式Facebookページに先月掲載された声明によると、ブリンコウ氏はフロイント夫妻に直接メッセージを送り、「The Spider Mate」シリーズ第2作『Bound』の表紙は誰に依頼したのか、と尋ねてきたそうだ。いざブリンコウ氏の本が出版されるや、場面設定や用語が明らかにティファニー・ロバーツ作品と似通っている、と複数のファンが連絡してきたという。またブリンコウ氏は夫妻が以前仕事を依頼したアーティスト(オーディオブックのナレーターなど)を突き止め、夫妻の作品と酷似したアートワークを依頼した、とも書かれていた。

その後もブリンコウ氏は自分の作品に似通った宣伝文句や場面やアートワークを使って、意図的に「The Spider’s Mate」をパクり、偽のレビューを書かせたり裁判で訴えると脅したり、嫌がらせされていると言いがかりをつけている、と夫妻は主張している。

「私たちが登場人物用に依頼したあらゆるアートワークに、恐ろしいほど酷似したものをブリンコウさんは依頼しました」と、フロイント夫妻は声明の中で述べた。「『Heart Throb』に関しては、『Ensnared』から借用しているのは明らかですが、一字一句そのまま拝借したという箇所がなかったため、盗作には該当しませんでした。私たちにはなす術がありませんでした」

Akiko Kato

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