アジカンが振り返る『NARUTO』が繋げた海外への道

―アニメを通じて様々な国に広がった先駆者ということもアジカンの偉大さだと思うんですが、最近だとアニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」というアジカンリスペクトな作品があって。後藤さんは先日noteに感想を書かれてましたが、他の皆さんは観てますか?

伊地知:観てます。素直に嬉しいですね。ライブに(作者の)はまじあきさんが来てくれて、「この人が(主人公の)ぼっちちゃんなんじゃないか」っていうぐらい緊張されてて、本当に僕たちのことを好きでいてくれたんだなって思いました。有難さしかないです。



―ご自身を模したキャラクターも出てます。

伊地知:そうですね。性格はそれぞれ違いそうですけど、実際の僕たちの誕生日を逆から読んだ誕生日になっていたり、僕がモデルになっていると思われる伊地知虹夏ちゃんの背景に江の島の写真が映っていたり、結構寄せてるなって思いました。

後藤:観てる組(後藤&伊地知)、観てない組(喜多&山田)です(笑)。

喜多:あははは。でも噂が入ってくるんで「すごいことになってるんだな」って感じてます。

―そこははっきり分かれてるんですね。

後藤:ほんとはっきり分かれてます(笑)。

山田:僕もアニメ化の前から知ってはいて。でも当時はこんなに大きな話になるとは思ってなかったです。ネタのちりばめ方を見ると、ちゃんと好きでいてくれてる人がやってくれてるんだって思えてリスペクトを感じますね。バンドに興味がなかった人がアジカンを聴くきっかけになったら嬉しいですし。

後藤:何を言おうが見てないけどね(笑)。

全員:(笑)。

―(笑)。後藤さんは、そのnoteでアジカンが成し遂げたことのひとつとして「ロックをある種の不良性から奪還したこと」と書いてましたが、まさにその近くなった距離感が描かれてますよね。

後藤:僕らが高校生の頃はライブハウスに怖いイメージがありましたから。モッシュピットに入っていったら殴られるみたいな。そこをハイスタンダードとかのAIR JAM世代が間口を広げてくれて、その次の世代に俺たちがいるような気がしてます。でも文脈としてはちゃんと繋がりがあって。パンクとは別のやり方で、「音楽って誰でもやっていいんだよ」っていうことを示せたのだったら素敵なことだと思うし。アニメに出てくる、人と接するのも難しかった子たちが楽器を片手に仲間たちと新しい物語を作っていくことも素敵なことだと思います。

Rolling Stone Japan編集部

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