森山良子が語る、80年代半ばの名曲からミシェル・ルグランとの共演

森山良子

日本の音楽の礎となったアーティストに毎月1組ずつスポットを当て、本人や当時の関係者から深く掘り下げた話を引き出していく。2022年11月の特集は「森山良子55周年」。1967年、19歳の時に日本の新しいキャンパスカルチャーのヒロインとしてデビューし、今年歌手人生55周年を迎えた彼女。今月は森山良子本人をゲストに招き、2022年2月に発売された8枚組159曲が収録されているアルバム『MY STORY』から毎週8曲を自薦し、55年にも渡る歴史を辿る。パート3ではアルバムのDisc5とDisc6を中心に1980年代半ばから1990半ばまでを掘り下げる。

田家秀樹:こんばんは。FM COCOLO「J-POP LEGEND FORUM」案内人・田家秀樹です。今流れているのは森山良子さん「人生はカクテルレシピ」。8月30日に配信発売された6年振りの新曲です。作詞作曲は森山良子さん。いろいろなお酒が出てきます。今月の前テーマはこの曲です。



2022年11月の特集は「森山良子 55周年」、良子さんご本人をお招きしてアルバムの中から毎週8曲を選んでいただいて、その曲にまつわるストーリーをお聞きしております。今週はパート3です。こんばんは。

森山:こんばんは!

田家:3週目であります。

森山:そうですねー。随分喋りました。1週2週と。

田家:こうやって曲を聴きながら話していると、いろいろ思い出されたりすることもあるみたいですね。

森山:もう忘れていたのかと思うようなことをわーっと思い出してきて、なんだかとっても懐かしくて。家に帰ってもずっと考えてました(笑)。

田家:これだけ長いキャリアがおありになると、あまり振り返る機会がなくなってくるでしょう?

森山:もう振り返っていたらやっていかれないんですよね。次のことに次のことにってシフトチェンジしていかないと、とにかくいろいろなものを背負わない。前に前に進んでガンガン進んでいく感じになっているんですね。体が長年の間に。

田家:振り返れば振り返るほどいろいろなことが思い出されるわけだし、思い出されることがある意味のしかかっては来ないんでしょうけど、やっぱり溜まってくると重くなるでしょうしね。

森山:例えば近いコンサートで1曲のあそこのところの声がもうちょっとこういうふうにしていればよかったなと非常に残念に思っていて、うーん次は負けないぞってどうしてああいうふうになってしまったのかとか、そういう自分自身の分析というか年を経ると、ますますそういう感情が出てくる。若い時は力に任せていたので、はい次みたいな感じだったんですけど。

田家:それは自分に対してより厳しくなっていることでもあるんでしょうか?

森山:年齢とともに筋肉の力も弱ってきているので、声帯のあり方も全然違ってくるんです。声の出し方を声帯に負担かけないための練習をしたり、そんなことをいつも考えて先生のところへ行って教えてもらっているので。

田家:そのことはゆっくり教えを乞いたいと思っているのですが(笑)。今週は1980年代半ばから1990年代半ばで、年齢で言うと30代終わりから40代。

森山:絶好調ですね(笑)!

田家:1曲目良子さんが選ばれたのは1985年4月発売「夏の恋人」。

Rolling Stone Japan 編集部

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