iScreamが語る、ウィンターソングへの想い、この一年の成長と進歩

3人それぞれの色を活かしたボーカル・ディレクション

—仮歌にどれだけ寄せるのか、もしくはどれだけ自分のカラーに変えるのかってバランスも難しいですよね。そう考えると、iScreamの曲に最初に命を吹き込むのはRUIさんといっても過言ではないですね。

RUI:そうかもしれないです。私の場合、歌の出だしとサビの頭を担当することがほとんどなので、その時は何も考えずに歌ってます。バラードであれ、ビートが刻まれた楽曲であれ、自分が出したいアクセントをまずは自由にそのフレーズに入れ込んでいく。もしそれが強かったとしても、曲のインパクトとして花を咲かせてくれたり、逆にナチュラルすぎたなって思っても、次に歌うYUNAがすっごい渋みを出して歌ってくれたり、私たちが柔らかすぎた部分をHINATAがキュって締めてくれたりするので、何もない状態で歌うことが、今はとてもやりやすいです。

—最初に歌うことの緊張もありますか?

RUI:そもそもこの曲がiScreamに合うか合わないかを試されてる感じもして、緊張はするんですけど、でも歌う前に3人でいろいろ話し合うので、それを思い出しながら、自分のパートだけ全うして、あとは2人に頼れるというか。きっと2人もいい表現をしてくれるから、自分もどんどん出してこうって思える安心感はある気がします。

—そう考えると、ソロのシンガーさんの心境とはまったく違うんですね。

RUI:そうですね。自分のパートが全部じゃなくて、ちゃんと3分割されてるからこそ、各々のパートで全部出し切っていいって思える部分があるし、それによって曲も盛り上がって聴いていて飽きない音楽になる、ってことを最近感じています。

—新録3曲目の「X’mas A Cappella Medley (Silent Night-This Christmas)」はRolling Stone JapanのTikTokで「Silent Night」を披露してもらいましたけど、クリスマス曲のメドレーなんすよね。

RUI:皆さんにiScreamを知っていただけるきっかけになっているアカペラを、こんなにも早く音源という形にできてうれしいです。クリスマスになると皆さんがよく聴く曲たちだと思うんですけど、日本人でまだ10代の私たちがリスペクトを持ちながら、私たちだったらどんなアカペラになるかを考えて、今までやってきたアカペラから自信をもらいながら挑みました。



—アカペラのアレンジ面で何かポイントはありますか?

YUNA:アカペラや「つつみ込むように...」の時にお世話になっている先生がいらっしゃるんですけど、その方がアカペラの構成のベースを作ってくださって。ゴスペルをはじめ、音楽について深く学んでる先生なので、このコードはこういうコードだよとか、そういう細かいことまで教えてもらいながら、神経を使って練習しました。オリジナルの楽曲とは違ったので、すごく難しかったです。

HINATA:レコーディングでも、一人ひとりブースに入って顔が見えない状態でアカペラするのが初めてだったので、自分たちの歌のスキルや表現できる幅が広がったなって思います。


YUNA(Photo by Mitsuru Nishimura)

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE