LOW IQ 01の青春時代「THE BLUE HERTS解散、AIR JAM夜明け前の1995年」

ー次にヒット商品の分野ではどうですか?

やっぱりWindows95だよね。俺はパソコンやらないけど、みんな仕事がだいぶ変わったんじゃないかな。デザインとかやる人はMacだと思うんだけど、この時はWindowsだよね。今でも電気屋でみんな並んでる映像ってWindowsだし。ふと思い出したけど、カシオの計算機がついてるデータバンクのゴールドを1995年の誕生日にもらって、今でも持ってると思う。だから、格好は完全にニューヨークスタイルでしたよ。1994年より前はどちらかと言うとLAのミクスチャー文化で、レッドホットチリペッパーズとか好きだったから、みんな短パン、スニーカー、Tシャツ、長髪か坊主みたいなノリだったけど、1994年ぐらいからニューヨークスタイルになっていった。シック・オブ・イット・オールが日本に初めて来たのも1995年だったと思う。初来日公演は新宿のアンチノックで、人がギュウギュウになって。俺がマーフィーズ・ロウのオープニングアクトをやったのも1995年。この頃、ニューヨークハードコアを日本が呼ぶようになって、マーフィーズ・ロウも初来日してたと思う。たしかSUPER STUPIDで出てるんだよね。ハイスタは新宿LOFTで、うちらは下北沢SHELTERでやって、COKEHEAD HIPSTERSとハイスタとマーフィーズ・ロウだったかな。あと、大阪のガールズバンドでウェディングドレス着てるドゥループっていうバンドと台風一家も一緒にやったかな。そういう意味では1994年がSUPER STUPID結成で、マーフィーズ・ロウが大好きだったから翌年の1995年で共演できてすごいうれしかった。

ー流行語だと印象に残っている言葉あります?

「ああ言えば上祐」。今で言うお昼のワイドショーで毎日出てたよね。ベル友も流行語に入ってるけど、ポケベルがギリギリで、これぐらいの時期から携帯が普及しているから世の中の流れではPHSだよね。しかもPHSって安くて5円とかだったから、当時のギャルはピッチ使ってた気がする。でもピッチは安い分、電波が悪かったんだよね。あと、俺らが思っているストリートとは違うけど、意外に1995年のコギャル文化はセンター街のイメージだよね。

ーコギャルに紐づけると、ヒット曲では安室奈美恵はまだ入ってきませんね。

ヒット曲で1位になってる「LOVE LOVE LOVE」は常盤貴子のドラマ『愛してくれと言ってくれ』。たしか電車のシーンが京王線だった気がするな(笑)。90年代あるあるだけど、ヒット曲は結局ドラマ主題歌なんだよね。



ードラマかCMかのどっちかですよね。

その中で意外なのはH Jungle With tだよね。H Jungleはお遊びから始まったものだけど、210万枚売り上げたのはすごい。覚えてるのは『HEY!HEY!HEY!』で、「ちょっと曲作ってよー」ってまっちゃんが小室哲哉に言って、最初は冗談だと思ってたんだけど、次の出演時にデモ音源を作ってきてて。まっちゃんが「何この音楽?」って言ってたのをすごい覚えてる。ジャングルって流行ったじゃん、そこのリズムを聴かせて本当になんのこっちゃ分からないみたいなダウンタウンのリアクションがすごいおもしろかった。曲の始まりはちょっとレゲエっぽいんだよね。スピッツの「ロビンソン」がヒットチャートに入っているんだけど、フジテレビの番組『今田耕司のシブヤ系うらりんご』の主題歌だったよね。この番組は渋谷で生放送でやってて、俺も渋谷でバイトしてたから、終わったら渋谷のCISCO LOUD店で溜まってみんなと遊んでて、帰る頃にちょうど番組がやってたから「ロビンソン」もすげー覚えてる。



ーこの時代って渋谷系も割りとお茶の間に出てきましたね。

この頃ってラヴ・タンバリンズが渋谷公会堂でライブやったり、当時インディーで10万枚売れてすごくて。「DA. YO. NE」.とかも流行っていて。

ー渋谷系とJヒップホップがチャートにも入ってくる時代がこの頃なんでしょうね。

イーストエンドで歌謡系ヒップホップって言われてた時代だよね。安室ちゃんがまだスーパー・モンキーズだけど、「TRY ME~私を信じて~」で世の中にはもう出てきてた。スーパー・モンキーズはまだMAXになってないんだよね。あと、大黒摩季の「ら・ら・ら」もこの頃で、中居くんの料理のドラマ『味いちもんめ』主題歌で、好きで観てた。

ーSMAPがもう出てきてるってことですね。

SMAPはもう全然市民権を得てますよ。来年ぐらいから『SMAP×SMAP』じゃない? 他音楽でいくと、奥田民生くんがまだソロで29歳だったんだよね。「俺も29歳でソロ出したんだよな」って言ってた記憶がある。「息子」って曲があって、カラオケ行った時にガルニのエイジが歌うって言って入れたら、全然違う演歌みたいな曲がかかってきちゃって「全然違うよ!」ってなったこともあったな(笑)。

Rolling Stone Japan 編集部

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