ケプラがKALMAとのリベンジ公演で魅せた、成長と進化を同時に遂げた勇姿

後半戦の幕開けとなったのは代表曲のひとつでもある「これからのこと」。キレの良い軽やかなサウンドと伸びのあるメロディが素晴らしく、会場に鳴り響く拍手もどんどん大きくなり、「ずっと一緒にいようねー!」と間奏で柳澤が大声を上げるほど心地よい温かな空気感が広がっていく。

速すぎず遅すぎず、メロディーが沁みるテンポで包容力たっぷりにプレイした「おねだり」でポジティブなエネルギーを放出し、クライマックスをより劇的に描いたのが「春が過ぎたら」だった。制服姿で教室で収録したMVでも感じることができるが、ロックバンドらしいドライブ感と彼らだからこそのキラキラとした光が混じり合い、誰しもが想いを重ねたい青春がそこに広がっていくのだ。



そして、ここで改めてオーディエンスで謝辞を述べ、本編の締めくくりとして新曲「剣」を鳴らしていく。子供のころに抱いた恋心が消えたとしても、その手触りを忘れず、今なりのアプローチで向き合っていくという気持ちを綴り、言葉と音を丁寧に響かせるアレンジでオーディエンスを包み込む。会場の熱気だけが生み出したのではない温もりがそこにはあった。バンドの規模が少しずつ大きくなり、その歩みもスピードアップしているが、ケプラとして表現すべき観点は何も変わらないんだということを実感。加えて、アッパーなナンバーをセレクトしないところにバンドとしての充実ぶりが伺えたに違いない。

盛大な拍手に呼び戻された彼らは、まずステージ前で4人が一列に並び、深々と一礼。その姿が可愛らしくもあり、和やかなムードに包まれる中、「10月27日、渋谷CLUB QUATTROでワンマンをやります!」と報告。結成してわずか2年、受験の為にライブを休んだことを考えれば活動期間としてはもっと短く、その駆け上がり方には驚かされるが、この日のライブの充実ぶりを観ればそうなっていくかと思わされるのも事実だろう。アンコールではさらに新曲もプレイしつつ、ラストは「16」。元気よく力いっぱい鳴らし、最高のフィナーレを描き出していった。

振り返ってみれば、全体の1/3ほどがまだ音源化されてない曲というセットリスト。傍からすれば急ピッチすぎる展開なんじゃないかと思ってしまうところもあるが、彼らにとっては至ってマイペースなはず。何かに追い立てられているのだとしたら、日々の風景や感情を切り取って曲にする彼らはすぐ曲にそれが出てしまうからだ。軸をしっかり持ったまま、成長と進化を同時に遂げている彼らの勇姿が今後も楽しみで仕方がない。



<ライブ情報>

ケプラpresents『ナポレオンツアー』

2022年10月7日(金)名古屋 RAD HALL
OPEN 18:00 / START 19:00
出演:ケプラ / reGretGirl(2マンライブ)

2022年10月21日(金)心斎橋 JANUS
OPEN 18:00 / START 19:00
出演:ケプラ / カネヨリマサル(2マンライブ)

2022年10月27日(木)渋谷 CLUB QUATTRO
OPEN 18:30 / START 19:00
出演:ケプラ(ワンマンライブ)

チケット料金:各公演 adv 3500円+1D

ケプラHP:http://kepura.com/

Rolling Stone Japan 編集部

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