『Unwanted』の影響源を辿る―あなたが最近のイギリスで共感を覚えるバンドが誰なのか気になります。ヘザー:
ウェット・レッグは大好き。彼女たちは今大活躍してるよね。あとは、CRAWLERSっていうバンド。曲がTikTokでヒットしてるんだけどすごくクール。メンバーのキャラクターも皆すごく良くて。
―なるほど。そうなると、今作でインスピレーションを受けた作品はやはりアメリカのオルタナティブ以降のポップパンクが中心なのでしょうか。ヘザー:そう、私はマシン・ガン・ケリーもウィローも大好きなんだよね。そういう音楽はいつも聴いてるし、私はザックが手がけてきたバンドやアーティストはほとんど大好きだから。彼と一緒に作業がしたかった理由の一つはそれもあったし。他にも、マイ・ケミカル・ロマンスやブリンク182、グッド・シャーロット、サム41といったクラシックなポップパンク・バンドも好き。でも、今回制作中に一番聴いていたのはパラモアかな。それはきっとアルバムを聴いたら感じられると思う。あとガービッジも聴いてた。ガービッジのサウンドってすごくオルタナティブ・ロックだと思うんだけど、今回のアルバムのサウンドもすごく近いところにあると思う。私は
シャーリー・マンソンの大ファンでもあるから。
―デビュー当初の音楽性は今とはまた異なっていて、当時はザ・キュアーやマドンナが好きともおっしゃっていましたね。ヘザー:ザ・キュアーやマドンナは昔からずっと聴いているから、最近は他の音楽も聴いてみたいと思うようになったのかな。彼らが素晴らしいアーティストであることはもちろん変わりないので、時々戻って聴くときもあるけどね。
―パラモアやその他ポップパンクなど2000年代の音楽と比較した際に、自分たちの曲の現代性はどこにあると思いますか?ヘザー:ペール・ウェーヴスって、結局は何よりもポップソングが好きなんだよね。サウンドのデコレーションの仕方はちょっと違うかもしれないけど、私たちが作る音楽は、基本的にポップ。曲構成がポップで、頭に残るコーラスがしっかりあるから、その点がサウンドをモダンにしてるんじゃないかな。あと、今回のレコードに関して言えばプロダクションも現代的。私たちの作品は、誰もがフォローしやすい音楽になっていると思う。
―作品によってサウンドは変化し続けていますが、その中心にあるメロディの求心力は不変です。いつも制作過程において、メロディはどのように生み出されているのでしょう。ヘザー:時々によって違うかな。ギターのコードが先にできてメロディがあとに思いつく時もあれば、スタジオに入る前に頭の中で出来上がる時もある。大抵の場合、曲作りはアコースティックギターで始めることが多いんだけど、それも毎回ではない。