マルーマ日本初インタビュー レゲトンとルーツへの誇り、マドンナやJLoとの共演を語る

 
コラボ歴、俳優業、スペイン語の美しさ

―また、これまでに大物の女性アーティストと続々コラボしてきましたよね。シャキーラにマドンナ、そして『マリー・ミー』ではジェニファー・ロペスと共演しましたが、年上の女性たちを愛される理由はどこにあると思いますか?

マルーマ:そうだな。僕は実際の年齢よりも年を取っているように感じるんだ。今28歳なんだけど、すでにたくさんの経験をして、幾つもの人生を生きてきたような気がするから、彼女たちに共感できるのかもしれない。よく分からないけど、すごくノーマルかつ自然に、彼女たちと接することができた。スタジオでもお互いに理解し合えて、素晴らしいエネルギーが生まれたしね。僕が女性たちとウマが合うのは、僕自身、女性たちに育てられたからなんだ。母がいて、姉がいて。12歳の頃から父親は家にはいなかったし、そういう家族的な背景があるからこそ、女性たちとのコネクションがどんどん強くなっていったんだ。そして、スタジオでこういった達人たちというか、偉大なアーティストたちと時間を過ごす機会を得るようになって、彼女たちが僕を、あらゆる面で大きく成長させてくれるんだってことを悟った。パーソナルな面でも、仕事の面でも。


シャキーラとの「Chantage」(2016年)は驚異の27億回再生超え

―日本では、5枚目のアルバム『Papi Juancho』からのシングル『Hawái』が一番聴かれています。ザ・ウィークエンドが参加したリミックスは、全米ビルボードHOT100で最高12位を記録するクロスオーバー・ヒットになりましたが、あなたにとってどんな意味を持つ曲でしたか?

マルーマ:うれしいね。これは僕にとって一番ビッグな曲なんだ。これまでのキャリアで、最大のヒットではある。でもこれで満足したってわけじゃない(笑)。今後も努力を重ねるつもりだし、今後も大ヒット曲を作るつもりだよ。それが今の僕にとってのゴールなんだ。最新作は僕のキャリアで最もストリートっぽいサウンドのアルバムなんだけど、次はグローバルなサウンドを見つけ出したい。『Hawái』みたいにね。『Hawái』が軽々とクロスオーバーできた理由は、メロディにもあったし、サウンドにもあった。どこの国の人であっても、聴けばグッとくるサウンドだったんだよ。そういう音楽を作るのが僕のゴールであり、『Hawái』は僕にとって最大のヒット曲だし、これからも成長するために努力を惜しまない。まだ始まったばかりだよ。



―今後コラボしてみたいアーティストは誰でしょう?

マルーマ:それが悲しいことに、僕がコラボしたい人たちはみんなすでに亡くなっているんだよね。例えば、マイケル・ジャクソンとコラボしたかった。マイケルは僕にとって最愛のアーティストなんだ。それから、プエルトリコ出身のサルサ・シンガーであるヘクトル・ラボーもね。だからもどかしいところがある。とはいえ音楽界に友達が大勢いるから、彼らとは今後もコラボを続けたい。例えばジャスティン・ティンバーレイクとコラボしてみたいな。最高のアーティストのひとりだからね。大好きなアーティストが大勢いるし、これまでも僕は、大好きなアーティストたちとコラボする機会を得た。マーク・アンソニー(2018年の『F.A.M.E.』収録の『Felices los 4(Salsa Version)』で)、リッキー・マーティン(2019年の『11:11』収録の『No Se Me Quita』で)、シャキーラ(シャキーラの2016年のアルバム『El Dorado』収録の『Chantaje』ほかで)……といった具合に。そして言うまでもなく、マドンナは僕にとって、コラボ相手としては一番の大物だった。しかも彼女をメデジンに招くこともできたから(4月30日にメデジンのスタジアムで5万人の観客の前でコンサートを行なった際、マドンナがゲスト出演した)、まさに夢が叶った瞬間だったよ。だから、音楽界にいる大勢の友達とコラボできて、本当に恵まれていると思う。



―歌詞は基本的にスペイン語で貫いていますよね。あなたにとってスペイン語の美しさとは?

マルーマ:スペイン語は非常にユニークでスペシャルな言語だね。非常にロマンティックでもある。同じことを意味する言葉が本当にたくさんあって、例えば“愛しています”と伝える場合、アメリカだと“I love you”という3つの単語を使うしかないよね。でもスペイン語なら、“Te adoro”とか “Te Amo”とか、ものすごくたくさんの美しい言い方が見つかるんだ。そういう豊かさを最大限に活かすべきだと思うから、僕は曲作りをする際に、あらゆる表現を駆使しているよ。

―今後英語で歌うことは考えていますか?

マルーマ:そうだな、僕はスペイン語を愛している。自分の母国語を愛していて、自分のルーツとスペイン語で歌うことにすごく誇りを持っている、スペイン語で歌うのが好きだし、こうしてほかの言語で歌わなくてもクロスオーバーを果たして、世界中を飛び回ってコンサートを開けるようになったということに感謝している。すごく恵まれた立場にあると思う。でもそれと同時に、僕は実験をするのが好きだから、例えばアルバムで2曲くらい英語で歌うとか、アメリカ人やアジア出身のアーティストともコラボするとか、そういったことはあり得るんじゃないかな。僕にとって真のクロスオーバーというのは、幾つかの言葉を変えたり、言語をミックスして曲を作ることなんだ。よりグローバルなボキャブラリーでね。複数の言語をミックスするというのが、K-POPの世界では成功したわけだから。僕もそういう試みをすることには全く抵抗はないよ。

―俳優業について伺います。今年公開された『マリー・ミー』で俳優デビューを果たしたわけですが、演技という音楽とは異なる表現方法から、どんなことを学びましたか?

マルーマ:演技をすることは大好きだよ。自分のDNAの中にあって(笑)、しっくりと馴染んだ。『マリー・ミー』ではジェニファー・ロペスとオーウェン・ウィルソンと共演して、ふたりがすごく僕を助けてくれたから、気持ちが楽だったよ。彼女たちは僕を支えてくれて、色んなシーンの撮影をする際に、指導してくれたからね。全プロセスを通じて、こういう師匠というか先生みたいな存在がいたことは僕にとってすごく重要だった。『マリー・ミー』は素晴らしい映画だし、心から撮影を楽しんだし、また何か意義のある役を演じるチャンスを与えられるのを、心待ちにしているんだ。そのために努力を続けるつもりだよ。スーパーヒーローとかも演じてみたいな。いい役が欲しいから、どうなるか様子を見るよ。僕はジェームズ・ボンドも大好きだし(笑)、バットマンも好きだから、史上初のラティーノのバットマンになったりして、歴史を変えることができるかもしれない。それを目指して頑張るよ。




―最後に日本のファンへメッセージをお願いします。

マルーマ:心からアイ・ラヴ・ユーと伝えたいね。キャリアをスタートしてから10年になるけど、みんなのメッセージは全部ちゃんと読んでいるから。InstagramやFacebookといったSNSをチェックしているし、日本には独自のSNSもあると知っているから、新しくそこでも僕のアカウントを開設する予定なんだ。日本のファンとより緊密にコミュニケーションが取れるように。でもとにかく、ありがとうって言いたい。日本にはものすごく大きなファンベースがあると心得ているし、日本から大勢の人たちが僕の動きをフォローしてくれている。だからみんなありがとう。かなり近い将来、みんなに会えるはずだから。




マルーマ 
『The Love & Sex Tape』
配信中 
購入・再生リンク:https://smji.lnk.to/theloveandsextape 

1. Cositas de la USA 
2. Sexo Sin Titulo ft. Jay Wheeler,  Lenny Tavarez 
3. Nos Comemos Vivos ft. Chencho Corleone 
4. Tsunami ft Arcangel, De La Ghetto 
5. Mojando Asientos ft. Feid 
6. La Vida Es Bella   
7. Mal de Amores

日本公式ページ:https://www.sonymusic.co.jp/artist/maluma/

 
 
 
 

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