清春が初ブルーノート東京公演で魅せたヴォーカリストとしての進化・深化

ラストの3曲「空白ノ世界」「アロン」「美学」は兎に角素晴らしかった。

その中でも「空白ノ世界」は清春の進化・深化が可視化されたパフォーマンスだったと思う。
歌の終盤で、マイクのグリップの部分を清春は指にしていたリングで時を刻むように叩いた。その音をマイクが拾う。マイクを通したおかげですこしリバーブがかかり、その音は心臓の鼓動のように聞こえた。

ステージはアコギ1本のDURANとマイク1本の清春。ステージ上にはセットも何もない。だが、幻想的なギターと、清春のノスタルジックな歌声と、マイクを叩く心臓の鼓動のような音でタルコフスキーの映像の中にいるようだった。

ラストの「美学」の演奏が終わると「またブルーノートでやりたいと思います」と確かな手ごたえとともにメッセージを放ちステージを去る清春。
惜しみない拍手を送るオーディエンス。

筆者がかつてNYのブルーノートに足を運んだ際、現地の客から聞いた「ブルーノートには実力がないと上がれない。だから、ブルーノートに来れば毎晩名演を楽しめる」という言葉を思い出した夜だった。



<ライブ情報>


「Streaming live『錯覚リフレイン ~A NEW MY TERRITORY~』」

2021年8月25 (水)、26日 (木)東京・Veats Shibuya
2021年9月23日 (木・祝)、24 日(金) 東京・LDH kitchen HANEDA

清春 OfficialTwitter:https://twitter.com/ki_spring

Rolling Stone Japan 編集部

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