KIRINJIの新曲「爆ぜる心臓 feat. Awich」は、堀込高樹が劇伴音楽を担当した映画『鳩の撃退法』(8月27日公開)の主題歌であり、これまでのイメージを覆す一曲となった。この爆発的なサウンドはどのように生まれたのか。同曲と4月に配信リリースされた「再会」、「恋の気配」リメイクの3曲入りEPや、映画のサウンドトラック、8月13日・14日に開催されるライブの展望について尋ねた。【画像を見る】KIRINJI アーティスト写真ほか(全5点)ー「爆ぜる心臓」びっくりしました。「再会」のあとだけになおさら。堀込:実は昨年の夏から『鳩の撃退法』の劇伴音楽と並行しつつ取り掛かっていて、10月にはこの曲も完成していました。
ー「再会」よりも先に仕上がっていたんですね。それにしても驚きのサウンドです。堀込:KIRINJIとしては、「再会」もそうだったように、『cherish』でやったダンサブルなポップスを今のところ続けていくつもりです。その一方で、今回は映画の主題歌、言ってみればコマーシャルソングですし、映画は派手なシーンもある作品なので、主題歌もインパクトのある曲にすべきだろうと思いました。
ーKIRINJIに「今回の主題歌はロックで!」とは普通オーダーしないと思うので、どんな経緯があったのか気になってましたが、そういうことでしたか。堀込:あとはもう一つ、劇中で「爆ぜる心臓」の前にある曲が流れるのですが、それが16ビートの強力な曲で。そのあとに最近のKIRINJIみたいな曲が流れても合わないし、静かなバラードも映画の内容とそぐわない。そんなふうに考えていくうちに、音圧でねじ伏せる方向にしようと。さまざまな条件を踏まえた結果、こういうサウンドに行き着きました。
ー資料に「ハードなロック調」とありましたが、普通のロックともかけ離れたサウンドですよね。堀込:ギターをギンギン鳴らしたりロック的なテイストを入れつつ、今のレンジ感をもたせることは意識しました。ロック系の人がヒップホップとかダンスミュージックに寄っていった時の感じ。例えばポスト・マローンも、ウワモノはロックだけど低域がすごく出ていますよね。
ー近年のKIRINJIはいつもベースに驚かされますが、「爆ぜる心臓」の低音もすごいですね。堀込:この曲はシンセベースが中心で、千ヶ崎(学)くんにもシンベの音になぞるように(生ベースを)弾いてもらいました。自分としてはシンベが目立っている気がして、「今回のミックス、千ヶ崎くんの音が小さいけどごめんね」と話したら「いやいや、結構感じられますよ」と言ってもらえたので安心しました(笑)。