小沢健二MV初監督、GIFの手法を駆使したグラフィック・デザイン・ムービー公開

ー3ヶ月連続シングルリリース、これは実に26年ぶりのことですね。創作意欲にあふれている?

僕は日本とアメリカとを行ったり来たりする生活を送ってきて、ある意味アメリカにいる間は仕事のスイッチは切れているんです。それがコロナで行き来ができなくなって、ずっと東京にいる。だからずっと仕事しちゃう(笑)。真面目にいうと、その理由からだけじゃなくて1995年に『強い気持ち・強い愛』、『戦場のボーイズライフ』、『さよならなんて云えないよ』『痛快ウキウキ通り』とかを出していたときみたいな、「仕事しなきゃ」「つくらなきゃ」っていう気持ちがいまはある。世の中の状況も、1995年(注:阪神大震災や地下鉄サリン事件のあった年)とちょっと似ているし、その中で、つくらなくちゃ、という気持ちはあります。

ー『ウルトラマン・ゼンブ』にはご自身のコーラスが入っています。コロナで制作体制が変わったという影響もありますか?

『ウルトラマン・ゼンブ』などの曲は、コロナの中で発展させた、「新しい弾き語り」と呼んでいます。これをアリーナで、一人でやるはずだった。そういう新しい弾き語りだから、新しい映像がつくのが当然と思いました。曲のつくり方自体がこれまでとは大きく変わっているので。見たことのない、新しい映像を作りたいという気持ちになったというのはあります。「新しい弾き語り」曲のつくり方とこのビデオのつくり方は、似ています。この『ウルトラマン・ゼンブ』も他にできている曲も、もともとはライブのためにつくっていた新曲だったので、(アリーナツアー中止の代わりにシングル発売を決めて)短期間でレコーディングクオリティに持っていくのは大変だったけれども。コロナになって、なるべくミニマムな人数でやらないといけないという制約の中、新しい、超少人数でできる音楽のかたちではあります。でも、30何人でやる音楽を追求してからの弾き語りだから、ただ弾き語りをするのとは、理解もアプローチもちがいます。そういう意味で「新しい弾き語り」です。このMVで何よりうれしかったのは、一緒にやってくれたグラフィックデザイナーたちが、明るい気持ちになっていくのがわかった。これは僕も含めてですけど。それが今回の制作で得た、最強に最高のものです。そういう「みんなが明るい気持ちになるような、へなちょこな作品(笑)というのは、最初の段階から強く思っていました。それがうまくできたと思っています。



<リリース情報>



『ウルトラマン・ゼンブ』

作詞・作曲:小沢健二
配信日:2020年3月9日(火)
購入:
https://ozkj.lnk.to/ultramanzenbuPR

「Ozawa Kenji Graphic Band」
言乃田埃
石川将也
大西裕二(フィヨルデザイン)
小沢健二
お豆腐
佐藤豊
ダイスケ・ホンゴリアン
多嘉山ゆりあ
田口陵(CIDER INC.)
寺澤圭太郎
三木章弘
山下ともこ

小沢健二オフィシャルHP:http://hihumiyo.net/

Rolling Stone Japan 編集部

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