2020年「ロックの殿堂」受賞者たちの声 NINのトレントは「結構ビビってる」

デペッシュ・モードも同様に喜びでいっぱいだ。「今年のロックの殿堂入りアーティストに加えていただき、一緒に殿堂入りを果たす最高のアーティストとともに歴代アーティストの皆様と肩を並べられることをとても誇りに思っています」とバンドは声明を発表した。「私たちと、私たちの音楽を長年支持し、今回の殿堂入りを実現してくれた皆さまに心からの感謝をささげます」

過去と比べて今回の授賞式でバンドの再結成の場面に立ち会えるチャンスは減るものの、ベーシストのタイラン・ポーター、ギタリストの“スカンク”ことジェフ・バクスター、ドラマーのジョン・ハートマンといったドゥービー・ブラザーズの元メンバーが再会するにはうってつけの機会だ。「全員が顔を出して、参加してくれることを期待してるよ」とバンドのシンガー・ギタリストのパトリック・シモンズはコメントした。「今回の栄誉は彼らのものでもあるんだから」2019年11月、ドゥービー・ブラザーズは元フロントマンのマイケル・マクドナルドを迎え、バンド結成50周年を祝う2020年の北米ツアーの開催を発表している。

デペッシュ・モードにとってもオリジナルメンバーでキーボーディストのヴィンス・クラークと、クラークからキーボードを引き継いだものの、1995年にバンドを脱退したアラン・ワイルダーと再会するチャンスだ。ワイルダーは2010年にゲストとしてデペッシュ・モードと共演しているが、クラークは1981年以来バンドと共演していない(デペッシュ・モード脱退後はヤズーやイレイジャーで活動)。

いままでの授賞式の多くは、アーティスト全員が一緒にセッションして幕が下りる、というのがお決まりのパターンだったが、今回はなかなか難しそうだ。「大丈夫! みんなで演奏できるような何かを考えるよ」とシモンズは言う。「ブルースをプレイするさ!」

長年にわたってロックの殿堂はシンセサイザーよりもギターを主体としたバンドを好んできた。だが、デペッシュ・モードやナイン・インチ・ネイルズの殿堂入りを見れば、こうした傾向も変わりつつあるのかもしれない。「ロックには必ずしもギター、ベース、ドラムが必要なわけじゃない」とレズナーは語る。「ターンテーブル、コンピューター、シンセサイザー、シークエンサーでもいい。どれもツールであり、表現媒体なのだから」



Translated by Shoko Natori

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE