タイ発、バンド文化は盛んなのにライブハウスが無い理由

東京・新代田にあるライブハウス「LIVE HOUSE FEVER」店長の西村等

はじめまして。FEVERの西村と申します。今後つらつらとコラムを書かせていただきますので何卒。新代田にあるFEVERというライブハウスに属しているのですが、近年アジアの音楽業界に興味がありまして、韓国、台湾、タイ、マレーシアなどを廻ってきました。

アジアシーンへの最初のきっかけはoffshoreというサイトを運営している山本さんという女性から一本メールが入りまして、「香港にあるhidden agendaというライブハウスのドキュメンタリーの上映後、トークセッションを行いたいのですが出演どうでしょうか?」とのことで当時のhidden agendaマネージャーkimiさんとのライブハウスに関するトークセッションを行ったことがきっかけでした。詳しくはFEVER HPで。

アメリカやヨーロッパの「venue(ベニュー)」と呼ばれるライブハウスは経験してることもありイメージできるのですが、アジアのライブハウスってどうなってんだろ? バンドっていっぱいいるのかな? インディーズレーベルというのはアジアにも存在するのかな?というという素朴な疑問がありつつ、リサーチさえもしてないぐらいの頭に片隅にある小さな課題となっていました。

現在、一番親睦を深めたのが「タイ」です。キーマンとなるdessin the worldというレーベルの代表であるGinnさん(タイ在住の日本人ドラマー)との交流を深め、多い時には1年で5回ほどタイに行っている時もありました(笑)。

なぜタイだったか? まずは以前から交流のあった柏の「deepsea drive machine」ベーシスト西さんから「タイの友人が、個人でライブハウスを経営していることに興味があるそうなんだけど、話聞かせてもらえませんか?」という連絡を受けて、下北沢の居酒屋で話したのがGinnさんでした。その際は西村、Ginn,西の3人であれこれ話したのですが、「実はタイにはライブハウスというものが無いのですがメジャーやインディーレーベルもあり、バンドは沢山います」。単純に「はて? バンドはいるのにライブハウスがないのはどういうこと? どこでライブをするの?」と話を聞いていたのですが、「飲食店やカフェ、野外などでも音響システムを組んでライブをすることが多い。音がしっかりしてなかったり、モニターなどほぼ無い状況ですが、どこでもやってしまうんです。ただ、ちゃんと苦情も来ます(笑)」

なるほど、イメージするアジアの音楽事情な気がします。

「逆に3万人規模のフェスとかもあるんですよ。インディーバンドも沢山出演します」ということを聞いてむしろちょっとわからなくなってきました。ライブハウスはほぼない状況だけど、インディーバンドがフェスに出演? しかも3万人? うーん、分からない……Ginnさんからの「個人でライブハウスを経営するということは可能なのか?」の質問には包み隠さず話しました。ライブハウスを作る、ということに関しての質問は基本全てお答えしているつもりです。もしご興味あるかたはご連絡下さい(笑)。

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