ポール・スタンレー、KISS最後の日々とファイナルツアーの展望を語り尽くす

2002年撮影のポール・スタンレー(Photo by Kevin Winter/ImageDirect)



―今度のツアーにおける「複数年」とはどういう意味ですか? 一体何年になる予定ですか?

笑っちゃうよね……何年に及ぶのかは俺にもわからない。過去にライブを行ったすべての場所をまわりたいし、そうなると本当に多くの場所に行かないとダメだ。世界は広いのさ。俺たちの計画は過去に行った場所を全部まわることで、1年じゃ無理だろうね。2年かもしれないし、3年かもしれない。それに週7日間ライブをしたい人間なんていないだろう。そんなこと無理だよ。今回のツアーは本当に高い山を登るようなものだけど、登山しながら俺たちは楽しむ予定だ。

―ポール・サイモンが最近さよならツアーを終えましたが、ツアー終了後もときどきライブを行うかもしれないと言っていました。あなたとしては、今度のツアーの千秋楽がKISSとしての最後のライブという感覚ですか?

まあ、そんな先のことは今はわからないな。ほんと、どうなることやら。そこに到達するまでにやるべきことがたくさんあるから。俺たちにとって最も重要だったのは、お互いの顔を見て「みんな、このツアーの最後を見届けるぞ。そして堂々とこれをやり遂げるぞ。みんなの記憶にしっかりと刻まれるように最善を尽くすからな」と確認することだった。

―あなたはR&Bのカバーバンド、ソウル・ステーションで歌っていますが、KISS卒業後はそっちの方向へ進むのですか?

今週末にギャラリーでのショーが2本入っているから、今はほとんどの時間をアートに費やしていて、これが思いのほか上手く行っている。だから、今後もアート制作を続けるつもりだ。一方、ソウル・ステーションは……バンドメンバー全員が、つまり俺を含めた13人が思い切り楽しんでいるって状態だ。メンバーの中にはスティーヴィー・ワンダー、スモーキー、ナタリー・コール、ホイットニー・ヒューストン、テンプテーションズなどと一緒にプレイしていた者もいる。何が楽しいって、これまで手が加えられていない最高の楽曲を、尊敬と畏敬の念を持ってリメイクでき、再プロデュースできることだよ。ほとんどの曲はラップなどのクリップで一部分を聞く程度のもので、悲しいことに、曲全体を聞く機会が最近ではまったくない。そこで俺たちがそういう曲を演奏するんだが、これは俺たちにとっての贈り物だね。

去年(2017年)、俺たちは日本に行ってライブを行った。確か6日間で12公演だったと思う。みんな、大はしゃぎだった。メンバーとはいつも連絡を取り合っている。「もっとやろうぜ」が決まり文句になるくらい、みんなで音楽の話をしているんだ。これも俺のルーツの一つだね、レッド・ツェッペリンなどのバンド以外で。俺は幸運に恵まれていて、オーティス・レディングにも、テンプテーションズにも、ソロモン・バークにも会った。だから、うん、ソウル・ステーションを続けたいかときかれたら「もちろんだ」と答えるよ。演奏したい曲はまだまだたくさんあるから。

―ジーンと二人で落ち着いて話し合う機会というのはあったのですか? つまり、「なあ、バンドの終わらせ方を話し合う時期だと思うんだ。さよならツアーのことを決める時期だ。どうしようか?」というような……。

そんなふうに話し合ったよ(笑)。ほんと、そんな感じさ。ある時点で、誰もがわかっていても話したくない問題を話さなきゃと思うときがくる。だろう? KISSというバンドの特性を考えると、そうなるのが自然なんだ。俺たちはジーンズとスニーカーでステージに登場して演奏するバンドじゃない。俺たちはアスリートだ。俺たちはギターを弾くスーパーマンだ。だから、うん、ある時点で互いの顔を見合って、「俺たちが望むレベルでこれを続けられるのはあと何年かな? 大好きなままで続けられるのはあと何年かな?」と言うことになる。利口なら、移り行く状況を最大限に利用できるように計画を練るだろう。その場しのぎをしながら枯れていくんじゃなくてさ。俺はそれだけは嫌だった。ツアーを終えたあとに「じゃあ、これで終わりにしよう」と宣言したり、ツアー後に1年くらい待って「まだ戻れない」と言って、それから1年後にも「まだだ」みたいな状況は嫌なんだよ。俺は最後にウィニングランをしたい。形勢を逆転したい。みんなをびっくりさせたい。これまで何でもかんでも反対する連中を全部克服してきた。だから世界中をまわって、みんなとハイタッチしたいんだよ。ただ、それを実現しようとすると案外時間がかかるのさ。

―KISSのステージで最後にプレイする曲は何にしたいですか?

最後の曲はこれ以上ないってくらい長尺にしたい。そうだな、最後の曲として「ロックンロール・オールナイト」をプレイするのは想像できるかも。KISSにとってアンセムのような曲だし、俺たちとのつながりも深いし、掛け声やときの声として使われることも多いから、この曲が最後になる可能性は高いと思う。演奏し終えた俺は1分間微笑んで、次の1分間は泣くだろうな。これが俺が感じるほろ苦さだよ。最後の瞬間はあらゆる感情に響いて、俺の中の感情スイッチを全部押すはずさ。



―きっとジーンも泣くでしょうね。それって想像できますか? ジーンが泣いた姿を見たことがありますか?

最近のジーンはインタビュー中に泣くのがお気に入りだぜ。ほら、俺たちが過去に成し遂げたことを振り返ったとき、メンバーそれぞれに思い出があるわけだ。でも、そういうことについて語り始めたのは最近だし、過去を振り返って、過去にやったことを思い出して目が潤むなんて珍しいことでもないよ。ジーンと知り合ったとき、俺は実家暮らしだった。ジーンもそうだった。二人でこのバンドを始めたとき、俺たちには夢があった。どんな困難に見舞われても、俺たちの決心は固かったし、労働理念は「絶対にノーと言わない」だった。これは今でも、どんな仕事をしていても変わらないし、周囲にもこの考えを勧めているよ。

―最後の質問です。ジーンがここ何年か「将来的にオリジナル・メンバーが一人もいない異なるバージョンのKISSが生まれる未来が想像できる。そして、そのバンドのクローンが生まれて次の時代のKISSが生まれる」と言っています。現時点でそういう未来を想像できますか?

KISSのショウだったら想像できるね。だってどこかの時点でKISSはメンバーを超越するし、既に俺たちを超越した存在になっている。だから、そういう未来が見えるかときかれたら「うん、見える」と答えるよ。ただ、近い将来のKISSがどんな形かはわからない。でもさ、KISSは最高なんだから、こんな最高なものを世界が拒否するわけがないだろう?

※関連記事「ポール・スタンレー、KISS引退の理由を語る」





KISS END OF THE ROAD WORLD TOUR


【仙台】
12月8日(日)ゼビオアリーナ仙台
OPEN 17:00/START 18:00 

【東京】
12月11日(水)東京ドーム
OPEN 17:30/START 19:00 

【盛岡】
12月14日(土)盛岡タカヤアリーナ(盛岡市総合アリーナ)
OPEN 16:30/START 17:30

【大阪】
12月17日(火)京セラドーム大阪
OPEN 17:30/START 19:00  

【名古屋】
12月19日(木)
ドルフィンズアリーナ(愛知県体育館)
OPEN 18:00/START 19:00

■チケット
SS席:¥25,000
S席:¥20,000
A席:¥15,000
(全席指定・税込) 

■一般発売
仙台:9月7日(土)
東京:7月20日(土)
盛岡:9月7日(土)
大阪:7月27日(土)
名古屋:後日発表

特設サイト:
https://endoftheroad.udo.jp

Translated by Miki Nakayama

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