ポール・スタンレー、KISS最後の日々とファイナルツアーの展望を語り尽くす

2002年撮影のポール・スタンレー(Photo by Kevin Winter/ImageDirect)



―控えめとはいえ、ジーンがステージであなたの悪口を言いましたが、これを聞いて二人の間に何らかの問題があったのかしら?と思いました。

いいや、ないよ。ほら、ジーンと俺はもう、そうだな、47年くらい一緒にいる。だから、彼が何を言ったところで、外で楽しい時間を過ごしているってだけさ。ジーンは無料コンサートをしているんだ。チケットを売ろうとすると売れ行きが芳しくないから、観客を200〜300人くらいに抑えている。でも、この活動は素晴らしいよ。一昨日もジーンと一緒だったんだが、アイツと俺の間には人から羨ましがられるほど強い絆があるし、俺も強いと断言できる。ジーンの家は俺の家がある通りにあるから、文字通り俺たちはご近所さんだ。何十年も前に互いの性格や人間性で折り合いをつけたし、互いにどんな人間かよく知っているし、二人とも家族が大人になったし……つい最近、ある写真を見つけてね。(ジーンの息子)ニックを抱いている若い頃の俺で、ニックはまだ1歳になっていなかった。それに、ソフィー(・シモンズ)とも2日くらい前に会った。彼女はロスでプレイする予定で、俺も観に行くよ。それが家族ってもんだろ。些細なことを取り上げて中傷することも可能だが、結局、最後に一番ジーンを支持するのは俺で、逆もまた然りってことだ。

―ジーンが言った悪口というのは、「俺の声はいつも大丈夫だし、昔のままだ」と言った後であなたの名前を出したことですが……。

だってアイツはリード・ヴォーカルとして歌ってないから!


2015年、ライブ中のスタンレー。

―若い頃に作った楽曲の高音部を歌うのは大変ですよね?

まあ、自分の劣化に関しては月日の経過とともに折り合いをつけられるようになるってものだ。俺が知っているシンガーは全員が、顔を合わせたときに最初に言うのが「このキー、前より辛くなってないか?」とか、「この歳になってこの歌を歌うなんて考えてなかったよな?」とか。つまりだ、これはどうしようもないことで、歳をとるとケアやウォーミングアップに費やす時間が増すわけだよ。最近、俺もかなり念入りにやっていて、声の調子を常に保つよう心がけている。ただ、『アライヴ!〜地獄の狂獣』のときの俺の声が聞きたいなら、あのレコードを聞けばいい。そうだろ? ロバート・プラントが昔の歌を歌わない理由の一つがそれさ。彼以外にも知り合いのシンガーは多いし、話をするシンガーも多いけど、みんな同じ状況さ。変化を嫌うってことは人間としての自分を認めていないってことだよ。俺たちは機械じゃないけど、俺にしても、他の人間にしても、かつての自分と自分を比べるよりも、今の自分の状態がかなり良いと思う方がいい。声に関していえば、時間の経過が引き起こすネガティブなこと、辛いことは確かにあるけど、これだけ長い間歌っていればそういうことも起きて当然さ。でも、今度のツアーは本当に最高のものになると断言できるし、「America’s Got Talent」を見た連中はきっと新たな自信を得ると思うよ。

―あれはライブ・パフォーマンスだったのですか? それとも事前に撮影していたものですか?

傾向としては、ライブ演奏を録画するし、その方が確実だったりする。スタジオに入るとかそういうことじゃなくて、つまり……不完全な部分があってこそライブってものなんだよ。

―今度のツアーのために声をどのようにケアしていますか?

口をつぐんで、君たちのような連中と話す機会を減らすことだよ。

―それは利口なやり方です。

だって、ほら、ウォーミングアップできるし……温熱セラピーをやっているし、超音波や光線療法も取り入れている。すべて声帯の調子を維持するためさ。時間の経過とともに声帯が腫れるし、そうなるとイライラするし、いろんな嫌なことが起きるけど、俺はステージに立って演奏するために自分の状態を安定させたいんだよ。俺たちは週に1〜2回ライブを行うバンドじゃないし、俺の歌声を補強するキーボーディストもいない。「あいつ、すごく上手いぜ」と思うシンガーがいるけど、そういうときはキーボーディストを見てみるといい。そいつの歌声のほうが断然いいから!

Translated by Miki Nakayama

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